道への道

車の免許はありますが、ここぞとばかりにペーパードライバーです。車を運転しない人の特徴として、道路の名前が覚えられないというのが挙げられるのかなと思います。やれ明治通りだ、日比谷通りだと言われても、どの辺なのかピンともこない上に、どこからどこまでがその道路なのかもよくわかっていない。もちろん地図も読めなく、極度の方向音痴でもあったりします。

そんな中、唯一覚えたのが麻布通り。古川橋の交差点から三の橋、二の橋、一の橋を通って、飯倉片町に行く坂を登って、登り切って降りて、つきあたりの大きい通りまで。そんな麻布通りが浸透しているのかしていないのか、タクシーの運転手さんに聞いてみたりするも『え?そんな名前なんですか?』と地道に周知する時間があるなら地図を眺めて港区内の道路の名前でも覚えなさいよ、と言われるのもごもっとも。

さて、都市計画道路補助7号線、9号線、10号線というのがありまして、つまりは三田の桜田通り(三田の納涼カーニバルのあの広い道)から赤羽小〜三田高を過ぎて、オーストラリア大使館から二の橋交差点を過ぎて、仙台坂をずずーと登ってまーっすぐ、有栖川公園のところの愛育クリニックまでの道。拡幅整備をすることになっています。

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整備は前々から始まってまして、オーストラリア大使館から二の橋交差点、仙台坂上の麻布グラウンド付近はすでに完了。7mの車道を両側4mの歩道で挟むような広々した道路と歩道になりました。今現在もこれから工事中の区間も残っていますが、これがずずーっとまっすぐ一本道、電線地中化を伴って整備される予定です。

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『なんでここの道なの?』という質問には『より良い住環境の創出を目指し、安全で快適な歩行者空間の確保や交通の流れの円滑化、防災機能の向上などを図るため』という難しい回答がつきもので、簡単に言い換えれば『狭くて不便より広くて安全な方がいいわけだし、防災観点においても慶応大学/芝公園〜有栖川公園の広域避難場所繋がるし、いざという時の輸送路にもなるじゃん』です。

狭い道の幅を広くするということは、広げるための用地が必要であります。つまり、港区が必要な用地の取得をしていく手続きをとるわけですね。そこでその用地をお持ちの皆様、お住まいの皆様に補償を伴う協議が必要となってくるわけです。2年ほど前から測量が行われ、説明会が行われ、これから用地を取得し、そして道路工事。計画では二の橋から仙台坂上までの区間がすっきり広々とするまであと10年はかかる模様。

ところで先日タクシーの運転手さんから『仙台坂というのは南麻布〜元麻布だけではないんだよ』というお話を聞きました。し、知らなかった……。物心ついた時からワンアンドオンリーの仙台坂。知識を得てしまったあとは、グッバイ私のワンアンドオンリーメモリー仙台坂。大井町の方にもあるんですって、仙台坂。

その他にも『新一の橋、一の橋、二の橋も、登戸方面の道であるんだよ』と。し、知らなかった……。坂が多くて橋も多い港区だからこそと思っていたのに。そうしたら『三軒茶屋から新一の橋〜二の橋に向かうお客さんには気をつけろ!(麻布方面か登戸方面か)』というのがあるようで。

道への道は遠い。