港区議会 H27年度決算特別委員会 その2

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港区議会では決算特別委員会が開かれておりまして、まもなく終了しますけど、行政のみなさんも大変ですけれど区議会事務局のみなさんも毎日遅くまでほんとお疲れさまです。なんと説明したらいいのかわからないですけど、お疲れさまですの一言。お疲れさまです(3度目)。

 

民生費では地域包括ケアシステムについて質問。この地域包括ケア、なかなか難しい問題でして。すごく簡単に表現すると『住み慣れた地域で医療と介護を切れ目なく繋ぎましょう(ただし地域の特性を最大限に考慮すること)』という国からのお達しを各市区町村が『これだ!』とするものを独自に展開してかなきゃいけなくて、しかも正解が無いという難解な新しい医療介護連携モデル。正直言ってなんのこっちゃサッパリわからない。その上、2018年4月に本格的に始めてちょうだいねと言われてるもの。背景には2025年間問題というのがありまして、団塊の世代といわれる層が後期高齢者になりますよー人数が増えますよー病院のベッドが足りなくなりますよー的な、医療資源とか社会保障の闇がチラッと表に出てきちゃうわけです。まあ大変どうしましょう。

 

港区も頑張ってます。私が1年半前に当選した時から頑張ってますよそりゃ。保健福祉常任委員でもありましたし委員会でも発言したりしましたし、傍聴できる会議体を全部(3回しかなかったけど皆勤賞)みましたし、議会でも一般質問で進捗とか方向性とか聞いてみましたけど、なんかどうなってるのかサッパリわからないまま。聞きたい答えが返ってこないんですよ。

 

『ちゃんと進めてください。お願いします』

 

ある時にふと考えたんですね。こういうお願いだけ言い続けてもどうにもならないんじゃないかと。実際どうにかなる場合もあるけど、今回は1年半見てきてどうにもなってない。区長は応援してるけど、なんでもかんでも素敵ですね素晴らしいですねと言い続けるのも議員のお役目として違うと思うし、でもここが足りないと思われるので頑張ってくださいね、と優しく指摘するとしてもこの1年半どうにもなってないので諦めた。そうだ、ここは鬼になって厳しくいこう。

 

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そこで至った結論は、『何がどうダメなのかをわかりやすく伝えてみて、何をすべきと思われるかをお願いとして順番に羅列する』ということ。よくありますよね、盛大なダメ出し。真面目ゆえのマジギレと思っていただいて結構。某党のようにダメなものはダメと言っていいよね?いいよね?え?ダメなの?意味わかんない。地方議会の与党らしさって何なのよ。

 

そんなイライラもさておいて。

 

地域包括ケア検討の中で1年半の間、問題だと感じていた点が『どうして?』と『なんで?』。どうしてそれにしたの?なんでそれなの?という、経緯と理由が不明であること。例えば、区が目指すという方向性が『退院支援』であることがようやく判明したのがこないだ7月の推進ケア会議(外部有識者会議みたいなもの)。しかも急に出てきたものである上、会議の委員の先生方もざわざわしてたくらい。ちなみに退院支援は『退院をオススメ』するのか『退院のプロセスをお手伝い』するのか、『退院後の自宅療養や介護をうまく回るようお手伝い』するのかは不明。検討中だそうだ。どちらにせよ、そういうのは病院の地域連携室とかがプロフェッショナルである。なぜ行政がそこに介入したいのかまず小一時間問いたい(答えは聞けなかったけど)。

 

例え無事に退院をしたとして、その後の療養や介護だったりを考えてるとしても、港区には訪問診療をしてくれる医師が少ないという問題もある。そこの問題解決にはノータッチだ。なんらかの形で医師会の先生方が納得するようなストーリーが描けているのかと思いきや、そうも見えない。むしろ合意もできているようなフシもない。むしろ先生方は困惑するだけで失礼な話でもある。

 

推進会議(有識者会議みたいなもの)で1年以上前から『多職種連携』という、大きい病院のお医者さん、看護師さん、開業医のお医者さん、訪問看護、高齢者センターなど、色んな場所の色んな業種の人たちがどうやって連携したらいいのかという問題が出ているにも、行政は解決策に向けた検討はスルー。どこどこが研修会とかやってるのでわざわざ踏み込まなくていいでしょう的なスタンス。それもどうかと思う。

 

基礎調査という区内の医療資源の数とか調べることもやった。『地域で病院とかの医療資源に格差がある』『どことどこのコミュニケーション取るのが難しい』とか、そんなの元々わかってる。判明したことをどう対処していくかのアイディアもセットで報告書でしょうに。

 

そんなイライラはさておいて。結構マニアックなレベルの指摘と質問だったのでどれだけ理解してもらえたかは正直さっぱりわかりませんが、他の議員さんからは『よくあれだけのこと言ったね』とか『行政がかわいそう』とか『勇気あるね』と色々言われたりもしましたが、地域包括ケアがちゃんと検討されるようになれば何でもいいや。

 

最後に6つのお願いをしました。

 

1. 区役所内の関連部署で方向性を統一してください。

2. 地域包括ケア推進会議の下に別の会議体を作ってください。

3. 区役所と関係機関とで話をして今の医療資源でできる運用方法を探ってください。

4. 各関係機関が何を担うのか合意を取ってください。

5. 必要であれば軌道修正をしてください。

6. 決定したことを地域包括ケア推進会議でちゃんと報告して再検討してください。

 

裏を返せば挙げた点ができてないよということなんですけど、どれだけの人がわかってくれるかなあ、理解してくれる人がいればいいなあと期待をして民生費の質問は終わり。