海外で11年ほど生活していました。高校編入から始まり、大学を卒業して、その後4-5年働いてから日本を拠点に。大学はサウスカロライナ州というところにありまして、日本ではあまり馴染みのない南部の州。『甘くない方』と言わなければびっくりするほど甘いアイスティーが普通に出され、ペプシと言おうがコークと言おうがペプシが出てきたり、バーベキューといえばBBQソースやマスタードで甘めに味付けした豚肉の細切りが出てきたり、そして政治的にはどちらかというと共和党の影響力が強い地域です。
アメリカ南北戦争の口火をきったチャールストンという町もあるサウスカロライナ州。今月、南部連合の象徴としていた旗(コンフェレデーション・フラッグ)を州議会から撤去するという法案が可決されました。赤地に青と白星のクロスのコンフェデレーション・フラッグ、私の暮らしていた20年近く前からも色々と何かと話題に上がっていたものです。あちこちで目にしましたしね。もちろんサウスカロライナ州だけではなかったですけれども。アメリカ南部は歴史的背景、文化的背景が色々あります。
そんな大学時代、ひとつ衝撃的なことを知りました。日本ではいたって普通に理科の授業、生物の授業で誰もが通過する『ダーウィンの進化論』を教えない学校もあるということ。もちろん宗教的な理由で。南部はどちらかというと比較的宗教色の強めな地域でもあります。種の起源。 The Origin of Species。
最近色々と国内でコントロバーシャルな話題がありますよね、そのニュースや話題を耳にする度に、当時ダーウィニズムについてのもやもやした気持ちが思い出されます。
それが安全保障関連法案。
日本では政治と宗教とプロ野球は荒れる3大要素といいますが、敢えて2つも出しちゃいました。2/3も出すならどうせなら全部出しちゃえ。ツバメ軍団推しです。
二つの国で教育を受けて生活も経験し、語学も知識を含めて何もかもが中途半端であることは否めません。第二次世界大戦が終了したのは8月14日、原爆投下が早期に戦争を終了させそれまでの何倍何十倍の犠牲を出さずに済んだと授業で説明があった時の、なんでしょう、あのもやもやした感じ。何が正解だかわからなくなって混乱した感じ。
話は少し飛びますが、高校の時に外国人向けの授業の中でディスカッションを行うことがありました。まずひとつの意見に賛成か反対かを問われ、2つのグループに分けられます。そこから賛成vs反対で議論が行われるのかと思いきや、分けられたグループと反対の意見を推すように言われ、ディスカッション開始。つまり、最初に賛成したら反対グループに、反対したら賛成グループとして開始。
そりゃもうしどろもどろです。言いたいことも言えず、双方ぼろぼろです。結果その授業で学んだことは、いかに双方の可能性を考慮し、論理的に、かつ感情的にならずに議論するということもありますけれど、一番重要なのは『世の中には賛成意見も反対意見もそれ相当の理由がある』という至極当たり前のことでした。
安全保障関連法案も色々とご意見があるでしょう。一度オススメしたいのは『逆の立場になって何故そう思うのか』です。その時に出てくるのは、多分ですよ、自ら考えたものよりは記憶の片隅に残っているどこかで見聞きした文言だと思います。〜だからという理由。きちんと考えていると、あれ?これって何で理由にされてるんだろう?と疑問に感じることもあるかもしれません。
ちなみに私は反対意見から『徴兵制』が理由としてどのような観点からでてきたのが未だにわからなく、これからの時代に頭数のような素人を集めてプロフェッショナルに対する作戦が是とされるのか、また徴兵したとしても毎日のご飯を食べさせたりする軍としてのキャパシティも拡大していく余裕が日本にあるのか、徴兵制度自体は韓国が導入しているようなものを指しているのかそれとも第二次世界大戦時代のようなものを指しているのか、はたまた先進国でたくさんの方々が反対しているような徴兵制度をとった上で実際に徴兵された国があるのだろうか、とたくさんのハテナが湧いてきます。憲法学ってどんな学問なんだろうとか、憲法学者ってみんな弁護士なのかしらとか。
平和を願う心は誰もが同じ。賛成や反対の二択を迫る前に、私たちもまずよく考えて自分の意見(不思議に感じる点でも)を整理してみるいい機会なのではと思います。