今回でおしまいのアメリカ行ってきたシリーズ、最終回は道路と車と自転車の話。アメリカさんは基本ハンドルは左で右側通行、マンハッタンは一方通行もたくさんあります。というかほとんど一通。しかも基本朝から晩まで混雑ぶりが激しく、タクシー乗るより地下鉄移動が楽チンなうえ早いというわけです。昔からこんなもんですけど、なんか久々のマンハッタンは更に酷くなってた感じ。
よくニューヨーク映画で見る光景、そう黄色一色のタクシー。行ける範囲が決まってる黄緑色のタクシーもお目見えするようになったけど、黄色見るとタクシーだという感じですよね。最近日本でもアレですが、『ウーバー』なるものが席巻しているという話は前々からありました。アメリカにおける利点は『便利な配車サービス』『キャッシュレス』以外にもうひとつ重要なやつがあるわけです。そう『チップ不要』。
アメリカ旅行された方は『チップとか計算でけへんねん!』とか『面倒やねん!』とか『大したアレじゃないの要求されるチップの意味がわからへんねん!』とか、まあ色々感じるところはあると思います。サービス業は時給がアレだからチップは大いなる生活の足しであるとか、そういう文化だからとか色々理由はありますけど、結構このチップ不要は大きいと話を聞きます。渡してもいいんだけど。
今となっては『チップありにしようぜ!』な業界要望も出てきているとも聞きますし、色々といろんな修正が入るのは世の常。時代の変化というものは時にしてややこしい。
そんな人を乗せて目的地までお届けするビジネスサービス、黄色タクシーの他にウーバー、そしてハイヤー的なリムジンというダブル・トリプルの車が増えたらそりゃ混みますわ。タクシーはわかりやすく黄色いからわかるんだけど、中古的なタクシー車体で白タク業務をするようなアレもあるようです。どうやって見分けるかというと、ライセンスプレート。
黄色いタクシーは4ケタだとかもありますが、その下に小さく文字が書いてあるんですよ。タクシーはそのまま『TAXI』。タクシー以外の人を乗せれるビジネスだと『T&LC』と書いてあって、Taxi and Limousine Commissionの略。そういうとりまとめの機関に登録されている車両だと。あ、ちなみに普通の一般のプレートはニューヨーク州では『エンパイアステート』と。お隣のニュージャージー州では『ガーデンステート』と。各州でなんとかステートって色々違うわけです。
そんなT&LC。ナンバーの下だけじゃなく、ナンバー自体もLとCで挟まれるT&LC。日本でいうとあれか、個人タクシーが緑のナンバープレートで『あ』が多いとか。
あ、そういえばパーキングメーターって大昔なかったな。パーキングメーターを増やすのは日本と逆ですね(新規に作ることは原則しないって警察の人から聞いたような)。
そんなマンハッタン。一方通行でも道の両端に車が停まります。そして自転車ナビレーンがつくようになってます。パッと見、『なんかおかしくね?』って思いません?え、思わない?あ、そうですか。
自転車ナビレーンの位置みてくださいよ。停車中の両脇に挟まれてめっちゃ真ん中でしょう。右側通行・左ハンドルだからドライバーがドアをばーん開けても自転車にドカーンぶつからない位置(ただし助手席の人は注意だけど)。左側通行・右ハンドルの日本だとこの位置は自転車ドカーンですよね。というか、ナビレーンあるところで車が停まってるとこういう感じか。なんだ、日本でよく見る光景か。というか、こういうのあっても死亡事故が出たとも聞きました。
もっと広い道でも自転車ナビレーン付いてます。どれ、もうちょっと近づいてみてみましょう。
片道何車線やねんという広めのアベニュー。おや?先ほどの道とは違って自転車ナビレーンが左側に。おや?
実はこの手前の車、停車中というか路駐の車。ここ、停車レーン。ええ、ドライバー乗ってませんよ。もうちょっと近寄ってみましょうか。
ほら、車線が変。車寄せ的なものがなんというか、堂々。
何度もいいますけど、これ路駐(というかドライバー不在の停車中)。イマイチ方向性がよくわからない。自転車レーンはある方がアレなのかない方がアレなのか、右が左か、そういうのよくわからない。
そんなマンハッタンの自転車事情、港区でもおなじみの自転車シェアリングもあちらこちらにポートがあります。マンハッタンではシティーバンクがスポンサー?だからシティバイクと。色は青です、青。
電動自転車なんて素敵なものはないですよ。というか、電動自転車というものが日本以外に席巻している国があれば知りたいくらい。日本はあれですよ、ママチャリという独自のアレですから。とにかく自転車シェアリングが増えているようです。渋滞回避?健康対策?観光?どう思う?
ニューヨークの自転車シェアリングの料金体系、港区や近隣区でやってるような『1回おいくら』というのはありません。1日24時間12ドル、3日72時間24ドル、年間163ドルというオプション3つ。1回乗れる時間は30分以内、オーバーすると別料金が加算。このあたりは港区も同じ。あ、年間契約をすると1回45分乗れるようです。1回乗車時間を超えると15分ごとに4ドルの超過料金で、時間後ごとにどんどん増えていって48時間以上アレだと1200ドル。返し忘れとか返却ミスとか恐ろしいなこれ。クレジットカード登録する時にデポジットも取られるし。
港区には無いシステムで興味深いのはね、ドックと呼ばれるポートに前輪をはめて返却なわけですよ。港区とかみたいにそのあたりに停めて返却ができないと。だからドックがいっぱいだったら『大変ですぅドックがいっぱいなんですぅボタン』をポチっと押して、別のポートに停めに行くまで15分の延命時間が与えられると。アメリカですものね、頑丈ロック返却システムとかにしないと確実に盗られますもんね。
『ウーバーが増えた→物理的な車の数が増加→交通渋滞』というのは多分相関関係はあると思うんだけど、自転車シェアリングが拡大しているには別の理由があると思うんです。多分だけどね、個人的には地下鉄の料金値上げが多少なり関係してるんじゃないかなあと感じる。健康がどうのこうのとか聞こえのいい理由はいくらでもあるけど、実際街に暮らすと事情が違うかもしれない。
といいますのも、私がマンハッタンとかクイーンズに住んでたのが2000年初頭、その時は地下鉄・バス30日乗り放題のメトロカードがですね、63ドルだったんですよ。ほら、定期の代わりですからね、日本の会社とは違って交通費なんて自腹ですよ。地下鉄は距離関係なく一定料金なわけでして、1乗車2ドル。それがですね15年経っての今、1乗車が2.75ドルと。200円ちょいが300円になるような感じ?そして定期代わりに使う30日乗り放題のメトロカードがですね、今121ドル。マジすか。
地下鉄・バス月121ドル vs 自転車シェアリング年間163ドル。これは自転車へ移行するに十分な理由で、ものすごく大きいと思う。観光でどのくらい使われてるかはよくわからないし、それっぽい人々は正直あんまり見なかったんだけど、やっぱり昔と違って地下鉄1日とか3日とか乗り放題メトロカードが無くなってしまった今、しかもドックがいっぱいだったら別のところ探しにいかなきゃいけないシステムだと、観光に力入れてるような感じはしないよね。でもそれでいいと思う、ニューヨークは。
あ、メリーランド州ベセスダでも同じような自転車シェアリングがあります。こちらは色が赤い。名前は『キャピタルバイク』。
ニューヨークと同じタイプの自転車。もちろん電動なんかじゃありませんよ。
料金体系はね、ニューヨークとは異なります。キャピタルバイクは1回2ドル、24時間8ドル、年間85ドル。どれも1回30分以内。こっちも事情は異なれど車社会の交通渋滞に悩まされる場所だからなー。
日本とアメリカの自転車事情の大きな違いは多分2つ、『通勤の選択肢』『ママチャリ』。
日本の駐輪スペースってとっても丁寧だよねという感想を改めて持って、行ってきたシリーズおしまい。