急ぎ国に求めたいのは、「温度管理を徹底する条件付きでモデルナワクチンを配置先から再移動を可能としてもらいたいこと」で、「職域接種の内訳を自治体別に出してもらいたいこと」もできれば。
ワクチンが足りないというのなら、足りるようにすればいいじゃない
ここ最近、アストラゼネカ製剤がうんたらかんたら、職域モデルナ廃棄した企業を公表だのなんだの、なんだかちょっとあれ?と首を傾げざるをえないトピックが飛び交ってます。
今に始まったことじゃないんだけども、日本全国でワクチンワクチンなわけじゃないですか。そんで今に始まったことじゃないですけど「足りねーよ」「足りてるはず」「何をもって足りてるというんだよ」「システム入力がうんたらかんたら」など、実際色んなことをやってる自治体vs国のバトルでどこも大変。
私はどっちかというと、いやどっちかでもないな、このワクチンの件に関しては完全に自治体の肩を持つ。自治体の職員が毎日何をどう試行錯誤して、大切な区民に向けて一所懸命頑張ってんのかわかってんのか。何やってんじゃい国は。
ワクチンが足りないというのであれば、まさに足りるように国は頑張らないといけないわけで、そのやり方がまだまだ不十分なんじゃないかと常に思ってます。まぁしょぼくれたイチ地方議員があーだーこーだ言ったところでスルーされているのが現状なんですが、そんな自分でも「こうしたらいいんじゃない?」って案がなくはないので、間違ってるかもしれなくとも提案はいくらでもしていいはず。
それが何かといいますと、先月くらいからですかね、大したツテはないにしても国会議員さんに「ねぇねぇ、モデルナを移動できるようにしてもらいたいんだけど」というようなお願いをしています。しているんだけど、一向にうんともすんともでオラ悲しい。
モデルナ製剤の壁
ご存知の方もいらっしゃると思いますけど、モデルナ製剤に関しては大きな壁が2つあります。あると思ってます、自分。
1. 集団接種用のモデルナ製剤と職域接種用のモデルナ製剤はきっちり管理を分けろ(一緒にしちゃダメ)
2. モデルナ製剤は配送されたあと、移動できない
これに尽きる。これ、なんとかならんだろうかというのをずっと思ってるわけ。んで、どうにかならんだろうかというのをお願いしてるわけさ。これがクリアになれば、要するに企業が持ってる職域用モデルナ製剤を分けてもらうことができるわけですよ。
職域接種やりたいけどワクチンがこなくてできないというとこがいっぱいあります。先月ニュースでもやってたと思うけども、ワクチン足りないので一旦受付を締め切りますというやつ。ただ、ものすごい最初の方で手を挙げてものすごい大規模に職域やりますよといったところは、ものすごい数のワクチンがおそらく本来の必要数の精査もされず送られていたと思われるわけで、「有効期限がせまっちゃってる」とか「たくさんあるんだけど打ちたい人いない?」的な問題を抱えているところも実際あるわけです。
だって、あるんだもの。そういうところから「余ってるので打ちませんか?」って声をかけられてるところがあるの知ってるんだもの。別にいいんですよ、それで助かる人がいるのであれば。ただ、同じくらい他の「少しだけでもワクチン分けてもらえるなら職域始められるよ」というところとか、「モデルナくれるならウチの自治体集団接種の予約が再開できるよ」というところも助からないだろうか、と思ってる。
日本におけるモデルナの取り扱い
↑こういうのがあるんですよ、厚生労働省のページに。
どこを読んでも「一旦配送されたら動かすなよ」という文言がびっちり。しかもですね、またなんでこんなにアレなんだろうと思うことがですね、
これがどういうことかというと、例えば港区での例ね。港区は区民向けの集団接種はファイザーとモデルナ使ってますよね。んで、さらに港区はそれとは別に子供関連施設向けの職域接種を行ってます(区立の保育園・幼稚園だけじゃなく、区内の私立園とかの先生や、区民対応する港区の職員さんとかも)。このモデルナ製剤は別扱いとなって、集団接種用のモデルナ製剤を職域用に分けることができないルールなんですよ。
両方とも港区が主体でやってる接種なんだけど。なんでよってずっと思ってるわけ。
これ先週の時点での集団接種(モデルナ会場)の予約状況でしたけど、余裕ありのままで終了した日だってあったわけですよ。こういう場合ですら、「1日1バイアル(10回接種分)でも職域用に分けられたら予約取れなかった保育園の先生10人分イケるわ!」となるけど、現状そういうことがまったくできない。
例えばアメリカンクラブ、1日1,700人打てるんですよ(単純計算1日あたり170バイアル使用)。しかし未使用の1バイアルすら移動できない。集団接種と職域は混ぜちゃいけないから。そして場所を移動させちゃいけないから。
ということで、こういうのが解消されれば、「ワクチン足りない!」というところが楽になると思いません?そしたら職域から職域へ、集団から職域へ、職域から集団へ、モデルナ製剤の融通が効くと思うんですけどどうですか?
動かせなくてダブついて廃棄せざるをえない企業の公表は、こういうことをクリアした後なんじゃね?と真剣に思います。せめて検討はしてその結果を発表してもらいたい。
CDCの資料にモデルナの移動について書いてあるんだけど、これに倣って国はハンドリング変えてもOKという指示が出せないもんか
職域と集団を別個にしなさいよという理由はぶっちゃけわかんないんだけど、動かさないでくださいよという理由は温度管理と言われてます。温度管理を失敗すると廃棄だし、ハンドリングに失敗しても廃棄だから、そういうリスクを極力少なくするための防波堤なんだと思います。そして責任問題が絡むから渋ってる。
うん知ってる、日本ってそういう国。ローリスク・ローリターン。前例がないと動かない国。知ってる。
ということで、CDC(米国疾病予防管理センター)のモデルナ製剤の取り扱いについて参考がてらみてみましょう。ここね。もちろん全部英語だけど勘弁な。
保管とハンドリングのまとめの一番下に、追記的なページと移動に関してのページがあるのよね。
電源が落ちたとかそういうトラブル緊急的な時の移動とかある中に、オフサイトとか別の場所へ移動する場合の手順というかプロトコール的なものが書いてあるわけですよ。きっちり温度管理しなさいよ、ちゃんとしたフリーザーに入れて移動しなさいよとか。
ちゃんとするのが条件だけど、1回以上動かしてもいいよって書いてるんだよね。ちゃんとモデルナに関しての輸送だよ。ねぇ、こういうの参考にしてどうにかならないもんなのかな。一回全部読んでよ、偉い人。国がダメなら東京都でもいいよ。
いや、厳密に言えば、厚労省じゃなくて、PMDA(医薬品医療機器総合機構:お薬承認するところ)マターじゃねーかとすら思う。
そして、職域接種の自治体内訳が知りたいのです。
港区のHP、港区も頑張っていろんな情報をたくさんの方にお伝えしようと、これまで委員会の中で要望したことを反映してくれています。その中で以前も委員会報告でちょっとお伝えしていましたけども、予約状況ね。
パッと見、誰もが「いやぁ、20代〜50代ってマジで予約状況って低すぎね?」と思うんじゃないかというグラフです。で、当然こういうのを見て「どうにか若い世代の接種率を上げないと!」と思うわけなんですが、ひとつ落とし穴があるわけですよ。
前もお伝えしましたけどね、これ職域接種でワクチン打った人は入ってないんです。あくまでも港区民が港区の接種券番号を用いて、港区の集団接種用の予約を取ってる人。
(港区の集団接種用の予約を取った人数)/ (それぞれの年代の住民登録数)
がん検診と同じなんですよね。自治体が出すがん検診受診率っつーのは、職場の健康診断とか個人が自腹で人間ドック受けてる人数は入れてない。入れない理由?わかんねーからだ。数える術がない。
ワクチン接種もまったくおんなじ状況で、港区民がワクチンを受けているルートというのは3つ。
1. 区の集団接種枠
2. 職域接種枠
3. 医療従事者枠
1以外はぶっちゃけ確認する術がないに等しい。だって医療従事者枠だってほら、そうじゃない人だって混ざったりするじゃん?してるじゃん?で、VRSだのV-SYSだのなんだかんだ国は言うけども、リアルタイムで情報が一元化されてるわけじゃないし、VRSとV-SYS連動してないからぐちゃぐちゃだし、港区じゃなくて他の区の医療機関で医療従事者枠で打っても職域で打っても、「オタクの区の人に打った分請求するね?」的な請求書が自治体に届いて初めてそこで知ることが多々あるわけで、自分のとこの区民が何人ワクチン打ったかなんて知りようがない。
港区の予約状況だって同じようなことで、20代から50代の予約率が他と比べて明らかに少ない。がん検診も同じなんだけど、自治体が独自に集計する「職域をやってる大学とか企業とかに所属している人が多いと思われる年代」の割合って、不自然に低いんだ。だって性格な数字持ってないんだもん。
特に港区の場合、他の区と違って接種券も予約も接種もすべての年代にフルオープン。予約が取れなくて困ってる人は皆無であると言い切っていい。集団接種でファイザーでもモデルナでも予約は取れる。なので「打ちたくても打てないワクチン接種難民」はいない。なので、
職域接種済み600万人+一般接種枠と医療従事者枠8,260万人のうち、ワクチンを打った港区民は一体何人なんだ。それが知りたい。20代が一番少ないと思われているけど、ひょっとしたら違うかもしれないじゃないか。という感じ。