選挙が終わるともうひとつ大切なお仕事があります。何においくらくらいかかったかとかいう収支報告という書類を出さなきゃならんくてですね。
これも4年前に経験したわけですけども、なんだろう、色んな面でとってもへんてこりんなフォーマットになっており、本当にこれでいいんだろうかという仕上がりになります。とっても不思議な出来上がりに。
ざっくり分けると2つ、収入と支出。これはいいです、普通だもん。
収入の部
収入はもちろん誰々からおいくらいただいたとか、政党に所属してると公認料として永田町からいただいたとか、自分の政党支部からお金を選挙資金用にお引越ししたりとか、そういうちゃんとしたやつ。
実はこれ以外、キャッシュじゃないやつも報告に載せなきゃならんわけですね。『多分いくらくらい相当の何々』的な。多分1000円分相当のお茶菓子いただきましたとか、おそらく2000円分相当のお茶菓子いただきましたとか、ひょっとして3000円分相当かもしれないお茶菓子いただきましたとか。
心のこもったお気持ちはプライスレス。それなのにお値段考えて付けなあかん。ちょっと嫌。ていうかお値段わかんないよね、つけらんない。でも正しくない可能性大な数字をつけなきゃいけない。
そこでちょっと思った。事前に『お気持ちはうまい棒だけで!』とかお願いしておいたら、収支報告の収入部分に『うまい棒(xx味)xx本』とか書いちゃってたのだろうかと。多分怒られるんだろうな、なんてニヤリと妄想。
支出の部
で、支出の方。何々においくらかかりましたというやつ。この中には2種類ありまして、『立候補準備』と『選挙運動』と、領収書の日付で異なるわけ。公示日前の領収書は『立候補準備』、公示日以降の期間の領収書は『選挙運動』。ちなみに明らかに選挙期間にしか使わない何かを事前に購入しても、日付が公示日前だから項目的には『立候補準備』。例えば、白い手袋とかね。
他にも例えば、なんだろう。公示日前にカッター買いに行ったら『立候補準備』、カッター使い続けてたけどやっぱりハサミの方が楽チンだよねと途中でハサミ買ったら『選挙運動』。
おい、誰かこの違いを明確に教えてください。
そんなことを考えていると、『立候補準備』と『選挙運動』に分けることで何をどう整理しようとして、何がどう明確になるのかがやっぱりわからないのね。
とっても不思議なことがひとつあります
あ、収入の方で『おいくら相当の何々』のご報告をしなきゃならんと書きましたけど、もちろん支出の方もあります。何に対してって、もちろん人に対して。
ほら、選挙はボランティアとかも多くいらっしゃるし、お手伝いしてくださる方もいらっしゃるじゃないですか。でもそういう方々に対しても『無償の労働提供(おいくら相当)』っつーのを書かなきゃいけないわけですよ。そんで、それが足し算されて支出が増えるの。
なんかおかしくない??
例えば現金で1万円お支払いできるパターンがあって、10人にお支払いするとしたら1万円x10人=10万円の支出。これはわかる。ちゃんと書かなきゃいけないのもわかる。領収書切ってお支払いするわけだし。
じゃあ無償のお手伝いが20人いたとして、お一人おいくら相当の働きとするかは人それぞれ、例えば同じ1万円相当とした場合、1万円分の労働力(多分)x20人=20万円。
前者は実際のお金の流れがあって10万円支出。後者はお金ひとつも動かないけどなんとなく20万円の支出。これ、人件費の支出として書けっていうルール。人の善意でお金かかってないのに。
おかしくない??
1万円じゃなくとも、例え1000円分相当の働きとしても、20人いたら2万円。どうですかこのサジ加減は。いきなり支出額1/10。いくら相当の働きとするかなんて、明確な決まりなんてないじゃない。今のルールだったら1円だっていいし、1万円(労務者報酬最大額)だっていいわけでしょう。もし1円にしたら、『無償労働にしても安すぎないですか?』とか言って選挙管理委員会にケチつけられるのかしら。
変じゃない??
手引きの記載例にも書かれているんだけど、『無償労働は収入にも支出にも同じ金額書くのでプラマイゼロだからオッケーです』的な算段になってるぽいんだけども、実際金銭の流れがないのに数字だけ上がるのはいかがなものか。
とっても不思議なこと、もうひとつありました
選挙カーにかかった費用、記載しなくて良いと。前回の選挙の時にも『書かないでください』と言われてね。今回ももう一度確認しようと、前回提出したファイルを調べ直したけども、選挙カーの駐車場代は計上しても、選挙カーにかかった費用は入らないの。
ぶっちゃけ、これで数十万は支出がずれるよね。本当の支出額より、書類上の数字は全然少なくなるわけで。正しいような正しくないような数字、これが正しい収支報告なんですって。
ほんと、不思議。私たち候補者は誰に何を報告してるんだろう。