『広いし、密にならんし、ライブ中継設備揃ってるし、レイアウト変更しなくていいし、席にマイクあるし、コロナ対策の委員会入室制限で役所職員が人材育成で経験不足って悩み聞くし、予算委員会は議場でできないかな?』『アリっすね』、から始まった予算委員会。1年越しの野望。
いつもだったら、こう。
4階の委員会室を2部屋ぶち抜いて、特別委員会使用となるわけなんですけれどもね。でも今回は議場でやってみるという初めての試み。なんでも「今まで通りでいいじゃん」より、臨機応援で使えるもん使えるならそれに越したことない、みたいな。
基本、なんでもかんでもコロナの影響がまだ大きい中で、議会も感染拡大防止対策をとりながらの 開催が続けられています。パンデミックから約 2 年、港区議会では感染対策をしながら議決機関として機能するべく、試行錯誤を重ねてきたわけです。パンデミック直後の令和 2 年度の予算特別委員会では、感染拡大防止のため参集する人数を減らす目的から、自民党議員団発案で ①行政側は必要最低限の出席者、②書面質問、の 2 点を軸に開催したんです。
もう2年前もかあ。当然ワクチンもないし、そんなことより「コロナって何?」くらい、まだ何にもわからなくって、諸外国で感染者が毎日びっくりするほど多く出て、バタバタ倒れていくような感じで。手探りの中でも「予算委員会はやらないと」というのはあったわけです。だって、議決しないとその次の月から始まる新しい年度の予算執行ができなくなりますんで。
で、書面会議的な書面質問スタイルを取ろうとしたんですが、「コロナだかなんだか知らないけどそんなの嫌だ。生中継のカメラの前で喋りたい」という方もおりましたゆえ、ほとんどが「今回はこういう事情だから仕方ない」と書面質問を選択しても、何名かはそうじゃない選択をして、結果統一感がなくなっちゃったのはまぁ思い出でいいです(よくない)。
で、その後、決算があって予算があって、また決算があって。流石に書面質問は最初の1回コッキリでした。やらないとわからないもんですが、「書面質問は想像以上に役所に負担が大きかった」というのがわかったわけです。すんごく大変だったんですって、逆に。なので、役所側は「必要最低限の人数の出席」、議員側は「会派の半分は出席で(それ以外は控え室とかロビーで中継みててね)」となりました次第。
で、今回のオミクロンですよ。これまで以上に感染力が高いといわれるオミクロンさんが登場したせいで、「さてどうしましょう」みたいな雰囲気がぞわぞわと漂ってたんですよね。
1年前くらいからやりたかった件。
本会議場、各席にマイクがついてんですよ、マイク。
ぶっちゃけ、「議場の席のマイク使ってみたかった」というのが1番の理由といっても過言ではないかもしれない。
もちろんきちんとした理由はたくさんあります。ちゃんとしたやつ。
1. 密にならない広い場所
2. 生放送設備が整ってる場所
3. 大きなレイアウト変更しないで済む場所(議会事務局が大変)
4. 区役所の職員さんが委員会の光景をナマで見ることが可能な場所
で、今回自分は委員長という順番回ってくるのわかってましたし、なんかやるんなら違うことやりたいなとか、いやそんなアナタ、いくら私でもそんな常に24時間アウトローな暴れん坊ではないですよ。ちゃんとしてる時だってありますから。
「コロナ対策で委員会室の入室に人数制限があるので、管理職の課長は答弁するから普通の常任委員会でもほぼ全員出席ですけれども、係長とかその下の職員さんとか、担当している案件について報告とか審議とかの様子すら見に来ることが叶わず、委員会ってこういう風なんだ〜的な、要は経験がないまま月日が経っちゃう前代未聞」
と、嘆く管理職が多くおりました。何名もの管理職からこういう話聞いてます。つまり、経験値が上げられないわけですよ職員さんの。レベルアップしたいのに、経験が積めないと。議会対応とか含めて経験値。
今現在、そういう若手の方々はどうしているのかというと、普通の委員会であれば(ネット中継なし)委員会室のドアの外に立って聞き耳立ててるとか、決算・予算委員会でも同じ様にしているか、委員会室の近くの部屋でネット中継みてるとか、なんかちょっとアレですよ。おのれ、コロナめ。
で、そういうこととかいろんなこととか、この1年くらい結構漠然と思ってたわけですけど、いよいよ自分が委員長の番がやってくるから「あ、そろそろ温めてた企画を世に出してみるか」と事務局に相談してみた次第。「こうこうこういう理由で、ここに誰々が座って、ここでこうこうこうして…」って。
もちろん議場使用は議長の許可が必要です。ダメって言われてたら、幻の企画として終了してたわけですが。でもちゃんと形になるわけだから、運用面でプロフェッショナルな事務局すげえな。みんな素晴らしく優秀。ありがとう。
あっ、もちろん議員のみなさんのご協力あってのものです。ありがとう。
一番ザワザワしたのは、行政側
「今回、予算特別委員会は議場でやります」と正式にお伝えされたのが2/16の定例会初日の幹事長会。その後、運営委員会、予算委員会理事会を経て、こまかなレイアウトとか運用的なものを皆さんにお伝えしていきました。
「議場に入ったこと、一回もないです」
と、一番ザワザワしたのが、実際答弁する管理職の課長さんたちね。いろんな課長さんたちにちょいちょい感触を聞いて回ってみた自分は暇人か何かか、そしたらビックリしたわけですよ。一回も入ったことない。そうですかそうですか。
通常の本会議場、入っているのは議員、特別職(区長、副区長、教育長)、部長級職員、そして区議会事務局。それ以外は入る理由がない。そりゃそうだ。よくよく話を聞いてみると、新入社員または中途採用的な、ピカピカの港区職員になりたての際に、施設見学で1回見に来たことがあるかないかというレベルだそう。
よし、開いてみようじゃないか。開かれた議会(物理的にドアオープンしてハードルを下げたの意)。議長の許可前提ね。
「委員会室に係長以下が入れなくて経験値云々」と課長が心配するのであれば、私がじゃぁ課長さんたちにお伝えしようじゃないですか、「議場に入ったら経験値が貯まりますよ」と。おめでとうございます。緊張でガタガタ震えてください。それはレベルアップボーナスです。
職員さんたちも、傍聴席をたくさん使ってください。経験値入りますんで。
中継だと、こんな感じに映ります。
自分は別にアレですけれども、全体のカメラワークもですね、質問する議員さんが結構アップでフォーカスされるように考え抜きまして、座席の位置変えたり色々工夫をしております。議員、ピンでアップめに映れるよう、配慮をしたつもりでございます。
港区議会のHPで、委員会開催数日以内に録画配信もご覧になれます。開催中は毎日午後1時よりライブ中継されます。もしお時間ありましたら、ポチしてみてください。アナタの知ってる議員さんが質問に立ってる日かもしれません。どういう話をするのかなーとか、動いて喋ってるとか見たことないやーとか、なんだよ質問しないのかよとか、色々。
https://gikai2.city.minato.tokyo.jp/g07_broadcasting.asp