これまで港区議会で反対討論をする機会というのは、とある会派に限定されていたようなもんだったんですが、今回皆さんの記憶と記録にもないような、反対討論っつーもんをした次第です。自民党が。
ざっくりとした経緯
1. とある委員会にて請願審議。
2. 態度がブレブレであっちいったりこっちいったり姿勢が定まらない会派あり
3. 審査前からどうですかって聞かれたので、「ウチはこう。理由はこう」と説明し、「もしxxxならxxxxしてもらえませんか」って聞かれたので「多方面に確認をとったし、そのつもりだからもちろんOKよ」と長い時間話し合いをして伝えたところ、「一緒の態度でいきますよろしく」と決断されたのでそうかそうかとなってたところ、一晩寝たらブレたらしい
4. 別にブレるのはいい、人間だもの。いろんな人のお話聞いてのブレブレは、ご自身の判断
5. とにかくブレまくっていることをあちらこちらに伝えた挙句、こちらにお願いしてきたことをこっちは守って約束を果たしたことまで反故にされ、請願審議は可否同数、委員長採決にて採択されることに
6. なお、我々自民党さんは一貫して「継続審査」を求めていてね、だって整理しないと片付かない課題がたくさんあるもんだから、確実に進めていくために継続審査を求めますと
7. で、「継続じゃダメ、今すぐ白黒決めてちょうだい」となったので、あくまでも継続で進めることに意義があると主張しているもんですから、「じゃあ採択でいいよ」とは絶対ならない、我々折れない、だって意味合いが全然違うもの、まぁそれはいい、別に全然いい
8. で、今日ですよ、定例会最終日。とある会派が「本会議でひっくり返されるんじゃないか」とあちらこちらにやらしく根回しをしはじめ、それでも足りないかもしれないからと、産前休暇でこの定例会すべて欠席しますと届出を出している、臨月の予定日過ぎたいつ破水するかもわからない身重の議員を本会議に出席要請するかのごとくな動きあり
9. 本来なら午後1時から、幹事長会→運営委員会→本会議と最終日の予定が詰まるところ、とある会派の幹事長が幹事長会直前に自民党さんのとこにきて、みんなの前で「採決のためだけに身重の産休入ってる議員登庁しますので、あ、ずっと体調の心配はあったのでこの定例会は初日からずっと休んでましたけどなんか今日は大丈夫らしくて」と一方的な通告あり、我々一同おったまげ
10. マジか、本当にくるんか、というかもう来てるんか、わざわざ呼んだんか、倫理的なとこからも、複数会派おったまげ。産前産後のアレってなんのためにあるの、母子の安全って観点どこいった
11. 「このためだけに来るって言ったね、本当にそういうのアリだとおたくの会派はそう思ってるの?これウチはこんなこと言われたおたくの会派そういうとこだと言わせてもらうよ」と幹事長同士で念押しをした次第、スイマセンしか言われないのも困る
12. 「反対討論するかどうかも含め、言わなきゃいけないことは言うべきと思う。準備含めて話合いたいから、止めて」とお願いし、幹事長会はじめ、その他諸々開会延期
13. 結局3時間半くらい予定からズレたけども、運営委員会で色々忠告し、本会議で反対討論賛成討論するような流れに
多分、立場によってはいろんな見方があるのは事実。「何が悪いの?」「自分たちから訴えて決めたルールを自ら破ってドヤ顔」「議員の権利が」「オンラインでできないのが悪い」「あーだこーだ」etc、いろんな見方があるとは思います。けども、妥協できない点はバキっと言わしていただきたかった、あたいが。少なくとも。
物事の考え方の価値観がそもそも違う、それに対してはもう正直何もできない。とにかく採択にこだわる心理。採択じゃないと価値がない的な。自分の力不足を区民の良心と請願と採択に頼らないといけないんか。区民の請願じゃなく議員の請願にすることをいとわない。よくわかんない。別にいいけど。知らんけど。価値観。多様性。
運営委員会で言わせていただいたこと
本日お昼過ぎ、幹事長会開催直前に、自民党控室に某会派の某幹事長がきまして、今定例会のすべてを欠席するという意の欠席届を提出している某議員について、本会議採決のために登庁しますという通告を受けました。
会派がまるで当該議員に出席を要請したかのごとく、この通告は議会軽視とも言え、会派としてもそのような議会を軽んじた行為を、自民党会派としては到底容認することはできません。
会派としてそのような経緯に至った明確な説明もなく、そのような一方的な通告では本会議を予定通り開会できるようなものではなく、議会運営の混乱を招いたことについては指摘をさせていただく必要があります。到底納得できるものではありません。
そもそも某議員は、産前休暇を取得されたという認識でおります。ですので、身重の体の方を心配しており、倫理的見地からしても、会派で優先されるべきは母子の健康なのではないかと、私は思います。
今後もこのような議会運営が続く懸念がある以上、我々自民党議員団としては看過することができません。以上、運営委員会において表明いたします。
と、しっかりと議事録に乗る上、区長はじめ特別職に「議会、こんなことが起こってました」と知っていただくことが重要と思いましたので。
委員長報告の通り採択することに反対する討論
請願4第13号「区立元麻布保育園の医療的ケア児・障害児クラスに関する請願」について、反対討論をいたします。
我々自民党議員団は本請願に対し、保健福祉常任委員会で継続審査を主張いたしました。その大きな理由は、「請願者とのやりとりの中で明らかになったこと」「しかしながら請願文との整合性が取れないこと」「改善すべき課題があることは議会としても行政側としても明らかになったこと」「しかしながら課題の整理をしなければ改善が見込まれないこと」の4つです。
請願者のご意見・ご要望は十分にお聞きし、とてもご苦労されていることはよくわかりました。一日でも早く改善とし、保護者へ安心を差し上げたい。しかし、本請願でも重要視された「保育と療育」という、行政の縦割りの影響にどのように対応するべきか。この話は元麻布保育園の医療的ケア児・障害児クラスだけに限定された話ではないため、事業を提供している関係各所の現場を確認し、課題の共通認識を持ち、港区事業の全体への影響を鑑みながら、確実に前に進めていくために継続した議論が必要であると、請願審査の中で強調してきました。
我々には残念なことに任期があります。我々の任期が満了するまでの間に、どこまで結果が出せるかという関わり方をしていきたいのです。我々自民党議員団の目指すところは、一日も早く、目に見える改善という結果を出していくことです。
何よりも大切なことは、請願を採択することを目的に議会が動くというのは間違っていると、我々議員は気付かなければならない。むしろ、請願者の真摯な願いを、請願に頼らなければならなかったことを我々議会は重く受け止め、反省しなければならないことを忘れてはいけない。
行政と共に、可能な限り実現に向けて動く。これが我々に課せられた責任です。
繰り返し申し上げます。我々自民党議員団は、本請願に対し、保健福祉常任委員会で継続審査を主張いたしました。これは今でも変わらず、責任を持って改善に繋げていくための継続審査であります。
区民からの請願内容に関してもっと詳しく現場の調査をすること、課題を整理すること、そして何ができるかを行政と議会で考えていくこと。この重要なプロセスを経ることなく、やみくもに請願の採択のみを求めることは無責任であると、断ぜざるを得ません。
請願4第13号「区立元麻布保育園の医療的ケア児・障害児クラスに関する請願」に、自民党議員団は反対いたします。何卒、皆様のご賛同を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
…ま、身重の議員がこのためだけにこられたので、過半数のご賛同は得られなかったんですけれどもね。我々自民党、委員会の中でも申し伝えておりますが、請願審議への態度と結果はどうであれ、確実にこのお困りごとは解消するよう努めていく所存です。そのようにお約束しております。
今でも信じてます。これこそ正しい継続審査の形だと。形にするために、継続することを主張したことに、今でもしていることに間違いはないと思ってます。
「自民党はひどい判断をした」と吹聴されるでしょうね
自公vsそのほか、と煽りたい人はたくさんいると思います。請願が出されたらお気持ちに寄り添う姿勢を見せるために全部採択というポリシーのとこもあるでしょう。
請願ってなに?ですよ。これは議会もですけども、行政側も本当に反省して考え直さなきゃいけないところ。あまりにも請願の扱いが軽すぎる。請願出されなきゃ動かない行政、自分の票に繋がるからと「請願出しませんか」と触れ回る議員、そういうのが多過ぎてウンザリして真剣さを失ってしまった議員、採択・継続・不採択関係なく「あと行政がなんかやるでしょ」と丸投げする雰囲気も少なからずある。自分も含めて地の底までの反省会だ。
最後までお読みになった方の中で、我々の主張をご理解していただける方はとても少ないと思います。でもいいの、間違ったことはしたくないし、こちらは頑固な曲げられないポリシーできちんと判断して動いてる。決して「人からどう見られるかしら…」とポピュリズムに流されることなく、気にしいになることなく、少なくとも私は自民党副幹事長として、保健福祉常任副委員長として、反対討論書かせてくれ読ませてくれと、背中を後押ししてくれた自民党の仲間に感謝いたします。
…あらやだ、ちゃんと自民党ぽいじゃないのアタシ。