無電線化とか電線地中化とか、今までじっくり考えたことなかったような難しいことを今お勉強しています。お勉強と言っても、今自分で出来ることは外歩いてる時に『あー、そういえばここ電線ないわ』とか、『あー、そういえばここ昔からすっげえ電線ぶら下がってるわ』とか観察したり、議会の質問でどんなことがやりとりされてきたのか議事録調べてみたり、港区と国の方針探して眺めてみたり。知らないことを少し知ってみようというお勉強です。専門家でもプロでもないからこれが今のところ精いっぱい。専門家からレクチャーを受けれるまでの知識もなし。
そもそも電柱を取っ払って地下にある埋めちゃおうねという電線地中化、大きく3つの目的で推進したいということです。防災、快適な歩行者空間、そして景観。正直なところ、今は2020年なオリンピックどうのこうので『キレイな街を目指してイケイケどんどん』な印象強し。ほら、日本お得意の『海外諸国と比較して』『観光客がドン引きしないように』。おい、防災観点はどこいった。
東京23区の無電柱化率なんと7%。国だと14%。その中でも港区は30%ってすごい進んでる。数字だけ比較して改めてびっくり。で、外国はというと、えーと、ロンドン・パリ・香港が100%、ベルリン98%、シンガポール86%、ニューヨーク83%と。第二次大戦前から地中化対策始めてる国と比較して意味があるんかいコラ。数字だけ比較してどうなのよという矛盾付き。
そんな港区の状況は、おピンクの部分が地中化の優先整備地域だそうで。うちのご近所はと…麻布十番も南麻布も元麻布も優先地域じゃないんだ…。
2年前時点で青か緑の色のついてる部分が地中化終了、もしくは現在誠意対応中。グレーの部分は未対応。要は、大きい道路以外はまだほとんど出来ていないということですよね。
日本が抱える電線地中化の問題はコストであると言われてます。電柱を立てて電線通すより10倍お金かかるとかってどっかのニュースサイトに出てたような。でもそんなことより、日本の都市部が抱える『道が狭すぎて』という方もフィーチャーした方がいいんじゃないのかなあとも感じるようになりました。
今の規則って、電線地中化するには歩道が2.5mないとダメなんですって。その大きな理由として地上機器(トランスとか詰まった大きな箱)を置かなきゃいけないから。120〜50cm x 40〜50cmくらいの大きさらしいので幅取るとか。しかも道路から25cmは隙間をあけて設置しないといけないとか。なんだかんだ言って1m弱は幅取るところも出てくるからということでしょうか。トランス設置連発することもないんでしょうが、よくわからん。
地上機器ってこれのこと?すぐそこにめっちゃ電柱あるけどなんでここ?
これもなの?なんかちっちゃいね。
確かに端っこから多少はスペース空いてる。ほほう、これが25cm以上のルールか。
規模の大きい開発地区であれば、そこそこまっさらの土地で道を広く取るなり設計して地中化する事も出来るんでしょう。でも、都心のぎゅうぎゅうした商業地とか住宅地とかの元々広い道路とかないような場所は、今のルールでいうと『狭すぎますね、はいダメー』で一蹴されるところも多いはずで。
H28年の4月から法律が変わったようで、今まで少なくとも地上から80cm深く埋めなきゃいけなかったところ、交通量の少ないところで車道は最大35cmの浅さに、歩道は40cmのところを最大15cmの浅さまで緩和できるようになったとか。なんかそんなことが国土交通省のサイトに出てたな。浅く埋めるとか、道路側溝に小型ボックスでどうのとか。
小型ボッス。誰か教えてあげて。ボッスになってるよ。リンク先の項目もボッスボッス。おっすおらボッス、ボックスの間違いだ。
そんなことはさておいて。そしたら京都のお茶屋街のある、あの狭い先斗町通り、どうやら今度試行錯誤しながら地中化整備するらしいじゃないですか。国土交通省とタッグを組んで新しい手法で。一番狭いとこで1.8m幅の道490mで電柱を15本外すと。120cm x 50cm x 高さ100cmのトランスを29基つけるんだって。ひえー。電柱取っ払う代わりにその倍の数の障害物が地上に置かれるのか…。
見せてもらいましょう、国土交通省と日本技術の実力とやらを。
そんなことはさておいて。他にも悩ましいのが『交通量』。交通量が少ないところ限定でこの革新的だか最新式だかの電線とかが地下に埋めることができると。交通量が少ないってどのくらいだろうと疑問を感じ始めたらちゃんと小さく書いてありました。
『交通量の少ない生活道路=250台/日・方向未満』
…1日250台かあ。単純計算で1時間10台とか?1日の半分は全く通らないとしても1時間20台ちょい?麻布十番の商店街は1日6000台とか入ってきますよ(データあり)。250台の感覚がサッパリわからない。住宅地裏通り的なところならそのくらいになるのかしら?わっかんない。
何はともあれ、掲げる目標と理想とリアルが錯綜する電線地中化。新しくキレイになる広い区画だけじゃなく、私たちの多くが住んでる住宅地エリアや昔からの商業地エリアとかの狭めのとこでできるようになればいいのになあと、電線地中化に想いを馳せております。多分しばらく想いを馳せてると思います。できるできないの2択から、こういうやり方とこういうやり方がありますという2択になーれ。
港区電線類地中化整備基本方針
https://www.city.minato.tokyo.jp/dobokukeikaku/kankyo-machi/dennsenruitityuuka.html
国土交通省:無電柱化推進の新たな取り組み
http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_17.html
国土交通省:浅層埋設/小型ボッス活用埋設事例
http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_17_1.html