女性議員に向けたアンケートというやつ

何年かに一度、思い出したように『アンケートにご協力を』っていう現職女性議員に向けた「女性議員を増やすためには』っつーのがくる。4月に統一地方選あるからか。ワイ、「女子ひとくくりにすんな派」です。

 

女子すべて一括りにしてくれるな

といつも思うんだけども、どうやらこういうのは少数派of少数派に感じてたまらない。でもこの感覚って、正直自分が議員になるまで無かったし、考えたこともなかったのである意味『アンケート実施をするという意義』はあるのかなとは思う。たぶん。

 

なんというかね、『これが結果です』というのが最初からありそうで。なので意味合いとしては『定期観測』または『変化の兆候確認』なんだろうかな。まあ、まあまあまあ、これはしょうがない。だって過去何度も何度もこういうアンケートが行われてるわけだけど、選択肢が急に変わるとかないし。新たな視点にすべき意見が書かれるかもしれない自由記載が無いんだろうなあというのは想像に容易い。

 

…書きにくいもんなあ、だって女子の敵は女子やぞ?

 

どうやら女性議員が議員になってお困りであろうとされてるあるあるは

・男性上位の固定概念

・ハラスメント

 

は多分変わらないようで。でも別にこれって女性に限ったことではないんじゃね?と思う時もしばしば。だって男性議員だって思ったこと一度くらい誰だってあると思うんだ。男性特有の『先輩後輩』『年上年下』に嫌気をさしてる男性議員がいないわけがない。体育会系的ノリが苦手な男性議員だっているっしょ。ハラスメントなんかは、男性同士の方がすごいっすよねパワーなやつ。マウント取り合い合戦でどっちなんだい。ぱわー。

 

ま、そういうことはさておき。

 

 

「出る」までが大変

性別関係なく議員になりたい人は自ら出るし、なってほしいと押される人は性別関係なく覚悟を決めて出る。覚悟というのにも色々あるわけで。とかいってよく言われるような家族の合意とかそういうのの他に、議員に選ばれるには選挙という一大イベントがあるわけで。そっちへの覚悟の方が大きいんではないかと思われます。

 

・お勤め先が兼業ダメなら退職する覚悟

・むしろ無職になるかもと後ろ向きな覚悟

・兼業/休業OKだとしても、落選した場合何事もなかったように復帰できる鋼のメンタルで挑む覚悟

・政党とか絡むと当たり前のように平日に何かを組み込まれて、選挙出る前から有給取りがちになる覚悟

・選挙のだいぶ前からそういう感じになるわけだから周りからそういう目でも見られても自分が好きすぎる/自分に自信がありすぎる以外のお豆腐メンタルが一念発起する覚悟

・周囲と支持政党が違いすぎて(もしくは発覚)して交友関係が崩れるかもしれない覚悟

・選挙まで半年〜1年くらいの間、議員でもないのに色んな針の筵に耐える覚悟

・一部の現職議員を遠目から見るのと間近で見るのと裏表のギャップがありすぎて議員というのに幻滅するけどここまできちゃったらやめるにやめられない覚悟

・金と票と人気取りしか興味なさそうな輪の中にいきなり放り込まれる覚悟

・なんだかんだで選挙準備とか全部自分でやらなきゃいけないから手伝ってくれる人がいなければ全部自分で仕事しながらやらなきゃいけなくて頭ぱっぱらばーになりうる覚悟

・宣材写真とかそれまでの人生で必要にないグッズがいきなり増えるので、そういうの恥ずかし気もなくドヤれる鋼のメンタルを持つ覚悟

・住所とかそのほか色々情報公開する必要があるのかどうかもわからないなかでなんかそういうのしなきゃいけないぽい覚悟

・知ってる人からも知らない人からもあれこれ有る事無い事言われなきゃいけない覚悟

・周りの人達から「選挙ってのはなあ!こういうもんなんだ!」と時代にマッチしない昭和な伝統を押し付けられてブチ切れそうになっても顔ひきつらせながらニコヤカにハイと言う覚悟をもった覚悟

・『何でも聞いてね』という割には何にも教えてくれないのにキレない覚悟

・誰も何にも教えてくれない中で孤独に『選挙、準備、何する』と検索しながら手探りで挑む覚悟

・やっていい事/ダメな事の区別が付かず、公職選挙法読んでも読んでも時代にあってない上に公職選挙法の解釈がグレーすぎて何一つ身動き取れないことに震える覚悟

・やりたいこと頑張りたいことより「知名度があるかないか」「必死にお願いするかしないか」で判断されがちなことにキレない覚悟

・結果ヤケクソで『あの人頭下げないわね』とマイナスイメージ付くかもしれない覚悟

 

と、色々な覚悟があるんじゃないですかねー。例ですよ例。なので、普通にサラリーマン的なことやってた自分はとてもしんどかったです。なので、基本性別関係ないと思ってます。現状のままだと、このやり方と制度と有権者からの目に耐えられなさそうなのはドSかドMしかいないんではないかとすら思ってます。基本性別関係ない(※個人の感想です)。

 

なので、まず選挙に挑むまでの不思議な選挙文化を変えるのと、しっかり候補者を見定められる有権者を増やすところをセットにどうにかしないといけないんじゃないかなとは思います。あと政党なら準備含めた相談サポートをもっと充実させる方がいいかなとは思います。あと昭和の選挙からとにかく脱却(※個人の感想です)。

 

 

自分の経緯

現に自分、今議員としてやってますけども、自分から鼻息荒く「やりたいです!」という経緯で立候補に至ったわけじゃなくて、まわりからの推薦というか説得というかそういうので今に至ってます。それも、こう言っちゃアレかもしれないけども、いわゆる「親戚でも家族でもない、ご近所とか知り合いのおじちゃん達」から「後継いで出てよー」で今に至る。で、そのおじちゃん達は自分が女子だから声をかけたわけではないの知ってるし、やりたさそうだから声をかけたわけでもないというのも知ってる。あ、いや、自分都合よく認識してたら恥ずかしい。いやん。

 

前にもどっかで書いたかもしれないけど、2011年の区議選前にも声かけられけど「薬の開発のお仕事、やりがいあるし」と一度お断りしてるの。でもって、「4年後まだアレだったら声かけてみてwww」と言っちゃったもんだから、ほんとに4年後声かかっちゃったし。でもって今に至る。女性陣からの多大なるバックアップがあって推薦されたわけでもなく、まぁ女性議員が増えたらいいなという目的が裏にあって声をかけられた可能性は否定できないけども、そこはわからない。

 

なので、自らの立候補を志す女性が増えることが正義的な世の中ではありますが、まったくもってそんなこと考えたことなかった他人に声かけると意外に「出てみようかな」と新たな選択肢を選ぶ女性陣のポテンシャルの方が高いのでは?と思う今日この頃です。でもやっぱそれも男性女性関係ないなとも思います。

 

「自分からやりたい人じゃないと、どうせ何もしてないんでしょ」と思われることも多々ありますが、お役目いただくからにはしっかりきっちりやっとりますということは改めてお伝えはしたい。ちまちましたものを作るのが好きなので、こういうの作ってみました。自分にとっての戒めの振り返り用でもあります。


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こういうの作りたい理由はですね、「がんばってね」と声をかけられるのはありがたいけれども、結構な割合でのその「がんばれの意」は【任期中の4年間を全うせよ】ではなく【お祭り騒ぎの1週間にとにかく目立て】であることにショックを受け続ける8年だからです。

 

 

脱線しちゃったんで、アンケートの話にまた戻るんですが。

今回も気になることがありましてね。「女性議員の働きやすさ」っつー概念なんです。議員の働きやすさってなに?といつも思うわけなんです。議会の中と外でかなり違いますけども。議員のお役目頂いた直後くらいからずーっと感じているのが、『あれ、そんなに議員って福利厚生を求めてる人が多いの?』と。

 

価値観の違いはあるでしょうけども、自分は議員を職業と思ってないので(お役目くらいにしか思ってない)、アレがないとダメこれがないとダメというのはあんまないかもしれない。難しいわあ。むしろ男性議員が求める働きやすさは何かを知りたい感じもする。

 

性別関係なく、議会の中の活動をもっとスムーズに活発に、という意味での働きやすさというのであれば、個人個人で思うことは色々あると思います。でもそれが全体最適かと考えたら違うとなることもあるだろうし、会派の中ですら意見がまとまらないということも多々ある。そう、つまり個人の活動と会派の活動は別だし、会派と政党が違ったらそれもまた別になると思うし、そんなこと言うなら会派なんて必要なくね?と思うことだってしばしば。会派があることでめんどくさいこともある。でも何かを成し遂げるには会派という存在に助けられることもあるのも事実。難しいわあ。

 

 

女性議員を増やすために何が必要か

都市部は比較的女性議員が多いと思います。でも昔(ほんとの昔)は多分いなかったわけで、0から1、1から2と増やしていくのは大変なことだったと思います。でもぶっちゃけ、女性であることである程度ゲタ履かせてもらってる感じになってるなあというのはちょこちょこと感じることはあります。ほら、それこそ女性議員を増やしたいという世の中の思いがカタチになったのか、はたまた女性議員が増えてきているというからこそのプラスの恩恵か。男性議員としては「いいなあ」と思われているのは絶対ある。

 

世の中の女性議員の中にはもちろん女性であることをアピールするタイプもいますし、エクストリームな感じになると男性議員が一掃されて初めて女性が活躍を〜なんぞというポリシーの方だっているでしょう。政治とかの場には「強い女性」というのが求められるフシがあるわけで、よく言われますよね「中身オトコ」じゃないとサバイブできないよねとか。自分、まったく該当しない、これでも誰よりもメソメソするタイプであります。檻のない動物園に放り投げられた家ネコくらいな感じです。同じネコ科のライオンとかトラと同系統に見られること多々ありますが、誰よりもお豆腐メンタル。それでも何とかやってます。

 

こういうところが、女子ひとくくりにしないでほしいと思うアレかもしれないね。日々地味な活動しているお豆腐議員もおります。外に出て目立ってナンボという、いわゆる「わかりやすい活動」をしていないタイプの議員もいるのです。

 

そう、多かれ少なかれ多分これもひとつあるんじゃないかなと思う。「当選するための活動」「知名度を高めるための露出」が当たり前のように散見する中で、自分もこうしなきゃいけないんだろうかっていう恐怖を煽るというのかな。特に今はSNSとかそういうのが活動報告で当たり前みたいになっているから、なおさら「そういうのヤダ」と思うかもしれないなって思ってしまいました。いや、別に踏襲しなくていいんだけども。

 

活動の可視化という点では悪くはないと思うんです。ただ、議会の中で議員として何やってるかの可視化が全然不足しているもんだから、個人としてのPR先行になっちゃって目立ったもん勝ちみたいな。議員って議会の中で何やってんの?誰がどういう質問したりやりとりしてるの?というのが世間にまったく知れ渡らないのは残念だなと思ってます。そもそも、ほんとに議員は議会で何やってんの?と大人が社会科見学していただくことから始めないといけないかもしれないと、議員になるまで議員のことも議会のこともまったくわからなかった自分だから余計にそう思います。だから反面教師として、普通の委員会でも報告欠かさず、ちまちま報告書作ったり、そういう行動を中心にしてるのかなあと。

 

それで「あぁやってみたいな」とか「自分ならこうする」とか、はたまた「あんなことなら自分だってできる」とか「むしろ自分の方がもっとちゃんとできる」と感じてくれる人が増えれば、それはそれで結果としていいんじゃないかなと。ちゃんとした人が集まるところになればいい。でも何をもって「ちゃんと」してるか判断するのはみなさん次第。

 

都市部の女性議員は比較的多め(港区議会全体では約1/3)だからこそ、「女性なら何でもいい」「女性なら誰でもいい」という風潮になるのは違うと思ってるのは変わらず。なのでがむしゃらに女性議員を増やさなきゃどうのこうのということも思ったことないので、そういう意味ではクオーター制というのにはまったく意義を感じてないです。でもこういうのって女性議員がひとりもいないような地方の議会で0から1をまず作るという意味では、初手としてアリかもしれないなとは思いますけどね。

 

という、オチもなんもない、ただの長い感想文。

 

あ、個人的にはですけども、政党さんはもっと公募すればいいと思います。それもオープンに。