アイ・スィー・ティー…ICT?な話

IT。スティーブン・キングの映画にもなったピエロの怖い怖いホラーな小説じゃないですよ。インフォメーション テクノロジー、つまり『情報技術』というやつですね。ICTともよく耳にする機会が増えたんじゃないかしら。ICTとはインフォーメーション&コミュニケーションテクノロジーの略でありまして、ITの情報技術に『通信』とか『伝達』とか相手がいることが加わったような前提もの。多分。いい方もICTという方が主流になっているような感じがありますが、ITをアイ・ティーではなく『イット』と間違えて連呼する人もいなくなったのがいいことなのかなあと。

 

と、いつものように本題とはまったく関係ない話でスタートしましたが、本日のお題は『デジモノ活用』です。議会でタブレットを活用している逗子市の市議会を訪ね、いろいろお話を伺ってきました。

 

 

4年ほど前から逗子市議会ではタブレットを導入しているということで、全国から視察希望が殺到するという大人気議会だそう。そもそもなぜ港区議会が訪ねていったかというと、昨年4月にタブレット活用の勉強会というのが開かれました。勉強会は初めてだったらしいですけど、その前からちょこちょこと『紙削減だ!』『ペーパーレスだ!』『ICTだ!』的なことがあったようでして。そんでその後もちょこちょこと話題には出ていましたが、先日の議会運営委員会で『活用しているところに見学に行こうね』ということになったわけです。

 

ようこそ!港区議会御一行様!ではないでしょうけど、運営委員を中心で13人くらいでお邪魔いたしました。ご対応くださった議会事務局の方々、逗子市議会のみなさま、貴重なお時間をどうもありがとうございます。あっもちろんいろいろ調整してくれている港区議会事務局のみなさんもどうもありがとう。ここが一番お仕事大変な部門じゃないでしょうか。今後ともお見捨てなきようどうぞよろしく。

 

まずは導入の経緯を含め、逗子市議会がどのように取り組んできたのかを伺いました。事前に色々とリサーチしていったんですが、改めてお話を聞くと『そりゃ進むよね』と感じざるを得ない理由がひとつ。紙とかコスト削減とかそういうレベルじゃないですよ。↑の画像にも写っていると思いますが、紙の資料をいただきました。経費削減のためカラーコピーが禁止なのですべての資料がモノクロの白黒印刷であるということ

 

 

議会の資料が全部そうだったんですって。これ、なかなか厳しいですよ。ほら、地図とか写真とか、オリジナルは色がついてても白黒になると何がなんだかさっぱり区別がつかなくなるし。そういうことから、まずはPCなどのデジモノを議会に持ち込むことからの検討が始まったというお話でした。そりゃデータさえもらえばカラーで見れるもんね。で、そこから色々と利便性とかのアレでタブレットに移行していったと。ふむ。

 

 

あ、もちろん紙の削減という目的もあったということですが、個人的にはモノクロコピーの方で十分な理由だと思う。あ、今タブレットを活用していても紙で必要な書類はあるからゼロになることはないようです。二つの情報を見比べなきゃいけないものありますからね、予算書とか。それはわかる。よく『議会のICT化は無駄なコスト削減だ!』ということが全面に押し出されたりしますけど、『導入にかかるイニシャルコストと維持のランニングコストを足しても、シンプルに紙とインクを使い続けていたよりコスト削減できましたよ!』というコスト回収的な結果がでるまでどのくらい時間がかかったのかを聞くの忘れてしまいました。大失敗。

 

市議会議員から直接色々と伺うこともできました。コストコストというだけではなく、労力というモノと作業時間というモノの観点では、デジタル化って随分と楽に便利にはなると思います。ほら、資料を準備してくれるお役所の方々のしんどいお仕事なわけじゃないですか。コピー機やプリンターに頑張ってもらいつつ、ホチキス留めだとか部数がどうだとか、資料に誤りがあったら差し替えだなんだの、気の遠くなるような作業なわけです。そういうところが減ることはとてもいいこと。

 

 

逗子市議会で活用されてるタブレットは貸与、議員ひとりひとりに貸し出されてると。そこにクラウドサービスを用いたデータフォルダーがあって、必要な書類はすべてそこに入り、アップロードされたらお知らせ配信がくるんだそうです。ちなみにそれ以外のアプリ、制限をかけてるわけでもなく、お好きに個人で使ってよいそうです。メールアプリも写真アプリも、他のでも。議員の裁量というか、モラルとか、良識を尊重していると。アクセスログは取っていないとのことでした。

 

 

タブレット採用している他の自治体、本会議や委員会の間にタブレットで遊んでいた的なニュースにもなったところがあるようですが、まぁアレですよね、モラルですよね、イロイロと。港区議会だったらどうかなあと想像してみると…恐ろしいからやめた。

 

 

逗子市議会は議員発案で『タブレット入れようぜ!』を全面に推し進め、導入費用を捻出するのに議長専用車の廃止とか議会費の中からの削減に尽力されたと。すごいですねー。ゴイスー。その半年後に行政でも管理職がタブレット活用し始めたと。へえー。

 

 

セキュリティとか色々ありますけど、議員が情報を受け取った時点で『公開情報』という認識があるかどうかで活用は変わってきますよね。情報の取り扱いという常識が各自治体で違うわけですから、もちろん個人でも。港区だと例えば『区からの公式プレスリリース的な何か』を事前に教えてもらえる議員とそうでもない議員がいるわけですし(役職とかですかね)、委員会が開かれるまで取り扱いにはご注意ください的な情報がありますし(委員会用の資料とかですね)、全議員に平等に同じ情報が同じタイミングにというわけではないように感じます。良いか悪いかは別として。

 

とにかく色々と参考になりました。でも改めて感じたのは、港区の場合は議会より先にデジタル化を考えるべきは行政側であって、議会はそのシステムに合わせるのがいいのかなっていう感じもします。でもそういうシステムになんとなく疎い感じのある行政側を議会からせっついていくのも手なんだろうなとも思います。なんにせよ、お役所の中の人々に視察に行ってもらいたい案件だと思いました。議員の活動のしやすさというより、港区が理想とする行政としての働き方や情報管理が今後の情報技術社会で生き残れるようにすることの方が大切だと思います。まる。