港区議会 令和3年度 予算の教育費

さて、教育費についてどういう質問したのか簡単に説明していきますね。テーマはずばり「文化財保存の考え方」です。ほら、あるじゃないですか文化財的なやつが大なり小なり。ずばり、まちづくり部門と連携してくださいよという話。ずばり。

 

ずばり、文化財保存で教育委員会って何してんの?

港区文化財保護条例の中で、「区は、文化財が我が国の歴史、文化等の正しい理解のために欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、その保存と活用が適切に行われるよう努めなければならない」とあるんです。

 

また、「港区教育委員会はこの条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない」とも書いてあるわけですね。

 

文化財の対応について、港区独自で何かできるということは多くないと思うんですよね。数えるほど少ないくらいではないでしょうかね…。むしろ、国や東京都などと協議が必要なものがほとんどであろう一方、土地の所有者である民間事業者に判断が委ねられてるものもあるわけですよ。というかそれがほとんどじゃないですかねと思っちゃう。

 

Q: その中で港区教育委員会はどのようなことをされているのか、文化財対応における教育委員会の具体的な実務って何なの?

 

A: 港区教育委員会はですね、文化財保護法や港区埋蔵文化財取扱要綱等に基づき、埋蔵文化財発掘届・通知の受理、調査の実施、調査の立会いとかやっておりましてね、計画変更等の協議とか区史跡指定等の実務はですね、東京都教育委員会、文化庁と連携しながら行っておりますですよ。さらに、文化財に関する実務から得られた成果は、港区立郷土歴史館の展示や各種の事業に生かしておりますです

 

(´-`).。oO(…なる。というか、教育委員会って学校だの幼稚園だのというところがフィーチャーされがちなんですけれども、一度ちゃんとした機会に聞いてみたかったんすよね…。サンキューです、3月9日だけに…うふふ…)

 

 

区の積極的だったり学術的な取り組みって例えばどんなの?

先ほど、お答えの中で「埋蔵文化財」って言いましたね?

 

遺跡がどの辺に見つかりやすそうか、どこが遺跡・史跡かがわかる、港区埋蔵文化財包蔵地分布図が港区のホームページからもみれるんですよ。眺めてるだけでなんか面白いんですよね。これによると、「範囲未確認遺構」という数がとても多いことに改めて驚いたわけです。へーーって。

 

港区は江戸城下町の上に築かれていると聞いていますので、掘れば何かが出る可能性が非常に高い場所だと。これまでに地下掘削が行われていない場所は特にその可能性が高いと言われているようなんですが、実際には埋蔵分布図でマークされていない場所で何か見つかることもあります。

 

例えば、江戸時代は海だったというところとかね
みんなわかっとるよね…何を言わんとしているのか。

 

で、建築計画等の対象地が周知の埋蔵文化財包蔵地(つまり遺跡)に該当しているか否かは、その分布図を各自で確認をして、該当しない場合は問い合わせ等は不要なんだって。で、工事などをしている最中でも埋蔵文化財を発見した際は速やかに工事を中止をして港区に連絡をすることとなっていると。ふむ。

 

要は自己申告制で文化財の発見連絡を区民や事業者に求めているということじゃぁないですか。

 

Q: 区が積極的に文化財を発見しよう、学術的なアップデートをしていこうという動きはあまり目立たないような感じがしますけども、そのあたり何か努力されていることがあれば教えて?

 

A:

昨年末の令和2年12月ですけども、区の学術研究を目的として、芝丸山古墳の遺構確認調査を実施したんです!そしたらですね、古墳築造当初の様相をつかむことはできなかったんですけども、6世紀中頃の円筒埴輪片須恵器の甕片増上寺の焼失した五重塔のものと考えられる瓦が出土するなど、新たな成果が得られたんですよ!

 

その他にはですね、令和元年度には幕末の1861年に発生した東禅寺事件に関わる史料である「東禅寺事件銀製メダル及び江幡家文書」の発見がありましてね!この現存するメダルは造幣局が所蔵する1点が確認されているのみで、今回発見のメダルには、事件で亡くなった江幡吉平に関わる文書群が一括して受け継がれていて、歴史的価値が高い史料であると判断したんです!令和2年度に港区文化財保護審議会の審議を経て、港区指定文化財に指定しました!

 

 

現在、郷土歴史館で、この史料を含めた、令和2年度新指定文化財展を開催し、区民に広く公開するとともに、新たな文化財の発見に向け、取り組んでいるところです!

 

(´-`).。oO(…ほぅ。前職はこれでも研究職の端くれだったもんだから、こういうアカデミックな発見とか進捗ってやっぱりいいわぁ…ナイスですねぇ…ナイスですよぉ…

 

 

区役所内でですね、文化財保護っつー意識を高めてもらいたいんですよ、ずばり区長部局ともっと連携してですね

港区には古いものを大切にする区になって頂きたいという思いが昔からあるわけですよ。便利な世の中に慣れてしまった今、我々は時折「価値」っつーもんがわからなくなってる時がありますよね。地形を残す、緑を残す、昔ながらの港区を残すことだって立派な価値ですよ、価値。文化や文化財は心の豊かさに直結しますし、そういうことを大切にする港区であって欲しいと願っている人は多いです。ユー、ノウ?

 

文化財保護って、観光資源にもビジネス資源にも関係あるし、社会活動や周辺地域のまちづくりへの意識向上とかも、教育以外にも様々な方面へ展開することができるコアな部分じゃあないですか。マジで。

 

歴史や文化が存在する日常空間に我々は暮らしてますよね。だからこそ景観条例やまちづくりルールなどもこういう観点から生まれてるし、自然を残したり古い文化と共存したりすることが増えれば増えるほど、港区はとても良いところだと認識もされていくんですよ。

 

Q: たとえ、たとえですよ、文化財所有者が外部だとしても、港区は文化も文化財も歴史も大切にする区だと、内外にもっとアピールしていただきたいわけです。そのためには教育委員会にはもっと文化や文化財について積極的に周知啓発をしてですね、区役所の中でも文化財保護の共有意識を高める存在であるべきなのよ。むしろずばり、イニシャチブお取りあそばせ?

 

A: 郷土歴史館の展示とか、積極的な情報発信も頑張ってます!庁内各部署と連携して文化財の保護と教育に取り組んでいます!今後も文化財を所管する組織として、文化財保護の意識を高める役割を積極的に果たしていきますがんばります!

 

かんそうぶん

(´-`).。oO(……一度失ったものは二度と戻らないんですよ……いいですかもう一度言いますよ……モノはですね、一度失ったら二度と戻らないんですぅ……

 

(´-`).。oO(……何年か前に委員会の視察で小樽に行ったんですよ。歴史と文化遺産が街並みの基礎となってる小樽です……。歴史や文化の保存とか保全とかの願いが込められてるんですよ……つまり市民の「価値」と行政の「価値」がマッチしたからこそ、文化財の保全を軸としたまちづくりができたんですよね……

 

(´-`).。oO(……じゃあ港区でそれできるかと考えました。多分今のままじゃ無理ですよ……だって「それはどこどこの管轄だ」という行政のやっかいなところしか出てこないんですもの……

 

(´-`).。oO(……今日の教育費だって、わざと「文化財保存」ってシンプルなタイトルにしましたよ……正直なところ教育委員会ではない区長部局にいる職員さんがどれだけこの中継をみてるか……ほとんどいないと思うんですよね……マジで……だってみんな「文化財は自分の管轄じゃないから」って思ってるから……

 

(´-`).。oO(……要はね、各時代に生きている人の価値観で、かけがえのないものを残すか残さないかの判断が委ねられてるわけですよ……

 

(´-`).。oO(……平成31年に改正された文化財保護法はですね、ぶっちゃけ条例改正さえすれば教育委員会じゃなくて首長部局への移管もできるんですよ……長の意向で文化財の保存と活用がダイレクトに反映できる仕組みになってるんですよ……ご存知だと思いますけれども……

 

(´-`).。oO(……つーか、起きなさいよ。アンタたちに話してるんだ。起きろやコラ

 

(´-`).。oO(……要はね、緑でも自然でも坂道でも、ネイチャーもカルチャーも港区にはしっかりとしたビジョンを持って、価値の判断をしてくださいよと言いたい……

 

(´-`).。oO(……起きろや、コラ

 

(´-`).。oO(……文化財保存はですね、ひとりひとりが歴史を大切にする気持ちが大切ですし、知識も学校教育も大切ですよ……

 

(´-`).。oO(……保存に関わる人員だって大事、学芸員の育成も大事、専門家へのリスペクトも大事、保存技術も施設もみんな大事……教育委員会だけでは難しいなら港区総がかりでそういう体制を取っていただきたい……

 

(´-`).。oO(……要は、教育委員会から積極的に区長部局と連携を取ってもらいたいわけです。特にまちづくり部門に対してイニシャチブをお取りくださいませ?

 

(´-`).。oO(……ということをですね、教育委員会と教育長に改めて求めたいことを最後に述べて質問を終わりますけど……お、起きました?

 

 

以上。