ちょっとアメリカまで その2

NIH。前にいつ来たか忘れちゃったけど、多分7,8年くらい前に仕事ついでで一度来てるんですよね。

 

その時にも今回と同じようにDr. Fにお世話になり色んな研究室を見学させてもらって、色んな研究者の方達ともお話して、『あーここにいる人たちって全員未来のノーベル賞だかラスカー賞だかの候補者だよなあ』なんて感じたわけです。アメリカ国内での感覚では圧倒的に

ラスカー賞  >>  ノーベル賞

な感じがしてるんですけどどうなんだろ。ノーベル賞と世界遺産ってアメリカ人あんまり興味ないようなイメージ。昔から。

 

それって多分ですけど、アメリカと言わず欧米の感覚って『内部でちゃんと評価すること』ができているからだと思うんです。良いものは良い、そう言い切っていい文化。日本を含めたアジアってどっちかというと『外の評判を気にしい』な感じが。特に日本は謙遜って素敵な文化もありますね。

 

例えば『xxってとても良いですね』って言われたら素直に『そうなのよ!素晴らしいのよ!だってね〜(延々と続く)』って言うか、『いやいや、そんなことないですよ(嬉しさ半分、照れ隠し半分)』となりがちでしょ?外から評価されて初めて気づかなくとも、もっと自信を持ってすごいと思うところを奥ゆかしくなく言える文化ができてもいいと思うとか感じてみたり。

 

というか、賞ってあくまでも結果的な途中経過だからな。そこが目的じゃないしな。という感覚。

 

ま、前回も触れましたけど、いろんな研究所といろんな研究室がたくさんあります。世界中から様々な国籍の研究員も集まってますし、もちろん日本人研究者も多いですよ。昔に比べたら減ってる話も聞くけど。ポスドクの人もいればフルタイム研究員もいるし。前はNIHがスポンサーとなって永住権申請もできてたらしいけどもうやらなくなったという話も聞くし。色々システムも変わってきているわけで、時代の変化というものは情勢の変化というもの。予算だって変わるわけだし。

 

ま、そんなことは置いといて。

 

NIH。今回は前回行かなかったクリニカルセンターに連れて行ってもらいました。臨床研究病院とでも言った方がいいのかしら。新しいメディカルサイエンスをヒトへ、そういうこと専門の医療機関。世界で初めての遺伝子治療もNIHだし、エイズ治療のための新薬投与もNIHだし。薬だけじゃなくともいわゆる『基礎研究』のための最高の環境だろうな、間違いなく。研究者のための最高の環境でもあるんだろうな。

 

なんか5月の連休とかあたりにとある大臣も視察に来たとか。どれどれ、大臣はどういうことを学ばれたのかしらとちょっと興味が湧いたので大臣のウェブサイトとかをみてみようかしら。

 

『この病院で治療を受ける患者は臨床研究の協力者となり、NIHが費用を全額負担しているとのこと。 』

 

…おーい誰か業界の基本中の基本のレクは事前にしておいてあげてー。

 

ま、そんな病院というか病棟というかなNIHクリニカルセンター、普通の一般の患者さんはこれません。施設の中に旅行代理店というか、トラベルエージェンシーも入ってます。そこで検査だったり診察だったりのための旅の手配もしてくれます。全米から集まりますもんね、研究に協力してくれる方々。

 

誰もが使えるようなモノにするための承認を受ける試験、NIHのようにそういう類じゃないこれからの研究のためでもある試験。『人体実験』と感じるか『未来の医療発展のための貢献』と感じる感じるかはアナタ次第。ちなみに業界の中の人だった私は『最先端治療の機会(丁寧な診察付き)』という認識。

 

ちなみにお薬の承認とかその他諸々を担当している機関はFDA(Food and Drug Administration)。日本にもありますねFDA、ほら静岡あたりで飛んでる航空会社のフジドリームエアラインズ(通称FDA)。

 

歴代の大統領も必ず訪問すると。そのうち来るんであろうミスタートランプのお写真はどこに飾られるのかしらね。

 

あ、あと興味深かったのは宗教対応ができているということ。チャペルがあって、宗教ごとに曜日とか時間とか使用が分けられてて。準備室的なものもちゃんとあるし。

 

多様性が、ダイバーシティが、日本でもうんぬん言われ初めていますけど、全ての人に〜なんて文言の中に『宗教』が入ってるの日本ではあんまりみたことないんだよね。色んなもののマイノリティだなんだにしか目が向けられてない人しかいないってことなのかな、なんていつも思っちゃう。でも日本って正直海外ほど宗教が生活のど真ん中にくる社会文化ではないので、ある意味そんなものなのかなと。社会学的な宗教のスタンスという話ね。

 

ワシントンDCはアメリカのいわゆる首都なわけで、政府機能のセンター中のセンターであるわけですけど、お隣のメリーランド州に位置するものもたくさん。NIHはメリーランド州のベセスダという街に、FDAもメリーランド州のシルバースプリングという街にありますし、その他にも要は『そこそこ広い土地を求めてちょっと郊外に分散させてるんだろうかなあ』とか、勝手に思ってみたりしてみました。ま、働く場所ができるのが先か、人が住み始めるのが先か、タマゴかニワトリのアレですけど、唯一言えることはいくら広いアメリカと言えど通勤渋滞ハンパないことかな。

 

続く。次はニューヨーク、マンハッタン編。