そうだ、地元で買い物しようよ

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私ね、『そうだ、地元で買い物しようよ』的なキャンペーンを全力で展開できないかなあと考えているんですね。区が『商店と地元を大切にする心を育てる港区です』という姿勢をわかりやすく見せてですね、生活の定着と住んでる地域のへの愛着度をもっともっと育てていきましょう的な種まき水やり作戦を繰り出してもらえないかと、真剣に考えてるんですよ。もちろん目的は個人商店を守ること、商店街を守ること、そしてお住いの皆さんに住んでる地域を大切に感じてもらうこと。

 

麻布十番商店街の代表として、また自民党の麻布十番周辺の代表として区議会に席を設けさせて頂いた身として、商店街振興については誰よりも頑張っていかなければならない立場です。お店屋さんの子として生まれ育ったこともありますし、小さいころから商店街でお買い物をして育って、商店街があって生活が成り立ってた身として、商店街ってすごく大切。だって日々の生活の中心ですから。

 

でも、住んでて大切に思うものは人それぞれ。地域のお祭りだったり、母校が残っていることだったりもするでしょうし、最近住み始めた人ならステータスなのかもしれないし、びっくりするような住みやすさなのかもしれないし、利便性なのかもしれない。事情が違えば大切に思う事も異なります。でも地域の元気がなかったらただ住んでるだけでつまんないなあと感じちゃうかも。

 

港区はこの20年間で人口が10万人弱増えています。15万人切ったくらいから24万人ちょい。外国籍も1割弱くらいはカウントされてますけど。それはつまり、

 

1. 新しく引っ越してきた

2. 昔住んでたけどまた戻ってきた

3. 産まれたり引っ越してきたりして次世代の子供が増えてる

 

のどれかに当てはまるわけ。むしろこの3つの組み合わせ。これ以外で増える理由が見当たらない。区長も事あるごとに言ってます、港区生まれの子供が増えてるって。行政の努力もあって港区の子育て環境が良くなったから『あら、それなら港区に住もうかしら』となってそこから家族が増えていく場合もありますし、『あら、それならもっと育てられるかしら』と家族が更に増えていく場合もありますが、基本人口が増えていくのは『新住人』と『次世代』がキーワードです。

 

昔から思うわけです。私はありがたいことに麻布十番で生まれて育って、途中色々ありましたが今も麻布十番にいるわけです。だから麻布十番は地元であって、これからも地元でありたい場所。でも途中から引っ越してきた人にとっての愛着ある地元ってひょっとして別の場所かもしれないし、とりあえず住んでるだけだからそういうの関係ないしーとか思ってるかもしれないし、自分は違うけどここで育ってる子供にとってもこれからも暮らす自分にとっても地元になればいいなって思ってるかもしれないし。やっぱり住んでる場所に愛着って持ってもらいたいですよね、昔から住んでる人にも、最近住み始めた人にも、未来に暮らす人にも。

 

地元を作る、地元を残すって地域と地域に暮らすみんなで頑張らないとどうにもならないんですよね。イベントを立ち上げても継続する力がないと歴史文化伝統にならないし、『麻布十番は残るだろー』と思うかもしれませんが、ただ住んでる人だらけ働いてる人だらけ遊びに来る人だらけの街になっちゃったらなーんもいいところ無くなっちゃうと思うんですよ。

 

そんな麻布十番、麻布十番といえばやっぱり商店街。麻布十番だけではなく、東麻布、元麻布、南麻布にお住いの人々の生活を支えるお店屋さんがたくさん。地域外からもたくさん来てくれますし、ありがたいことです。でも麻布十番から商店街が無くなったり衰退したらどうなるでしょう。スーパーマーケットとコンビニさえ残ればとりあえず生活できるからいいやって思っちゃいます?今の時代はインターネットでワンクリックで必要なものが買えて運んでもくれるから困らないやって思っちゃいます?例えばスーパーとコンビニとファミレスしかない大通りって、生活する上で想像したらちょっと寂しいって思いません?

 

区の商店街振興政策は本当に頑張ってくれてると思います。プレミアム商品券の発行補助だったり、商店街イベントの補助だったり、自転車シェアリングで観光と商店街を結びつけようとしたり、今やってるワールドフェスティバルだって商店街と関係持とうとしたり。でも『商店街商店街商店街ー!』と例え私が叫んだところで、生活範囲内に商店街がないところにお住いの方にとっては『自分にそんなに関係ないどこぞの商店街に税金投入するなら、今すぐに一軒で事足りるどでかいスーパーとかホームセンターでも誘致してくれ』となるかもしれない。

 

でも商店街では無い場所でも、個人が経営してるお店屋さんって必ずありますよね。例えばタバコ屋さんだったり、お蕎麦屋さんだったり、お花屋さんだったり、お米屋さんだったり、床屋さんだったり、雑貨屋さんだったり。通り過ぎるだけで例え利用をしたことがなかったとしても、『あ、お店屋さんだ』ってわかるようなランドマークも無くなったらとても寂しい。

 

今の商店街振興ってね、『たくさんの人に訪れてもらうためにとりあえず何らかのカタチで補助金投入』というのが唯一の方法みたいな印象もありましてね、それも重要なんですけどね、ちょっと違うなとも感じるんですよ。たくさんの人に訪れてもらうためにたくさんイベントを企画するってのも重要だと思うんですけどね、それだけじゃどうにもならないと思うんですよ。

 

お祭りだったり、豆まきだったり、商店街ポイントカード、企画する側があって、参加する側ができる。どちらかに偏り過ぎてもだめ。しかも何かサービスやらお得感がないと消費行動に結びつかないのが標準の消費者心理。年がら年じゅう割引なんてお店側だって厳しいんです。そこで『自分のこのお買い物がほんの少しかもしれないけど地域を支えてるんだ』という意識が生まれれば、地元を残すお手伝いのひとつになるんじゃないかと。10回に1回、5回に1回、寄ったついでにコンビニでボールペン一本買うのを文房具屋さんで買ってみる、いつも通販で靴下買っちゃうけど洋品店で買ってみる、チェーン店じゃないところでご飯食べてみる、そんな心意気ひとつですよ、必要なのって。

 

小さい頃にあったお店が大人になった今でも営業しているとか、昔ここにあったお店で何々を買ってもらった思い出とか、あのお店って意外に色々と便利なんだよとかいう豆知識とか、こんなお店があったんだー今度こそ来てみようとか、そういうちっちゃいことがぎっしり詰まった共に過ごす生活アルバムみたいなのが商店街とか、地元だと思ってるんですね。日々の生活に定着という面も愛着という面からも、また日本文化の面からも地元のお店の維持って必要だと考えてます。特に商店街って日本独特だと思いますよ。ニュアンス的にショッピングストリートでもマーケットストリートとも違うんですから。

 

だからこそ、区の商店街や商店街連合会にひたすら金銭面の援助っていうのには限度があるような気がしてならない。やれ商店街にお金を落としてもらうために商品券だ、でもプレミアム付きのお得な商品券じゃないと買ってみたくならない有効期限トラップ付き、販売時期や商店街のイベント日じゃないと訪れる人数も落差が出るだの、できる事に限度がある。商店街の人達ができることにも限度がある。じゃあどうしたらいいんだろうと考えたら、やっぱり住んでる方々とか生活してる方々からの支援も必要で、それプラス区の応援というのも必要で。今までの支援の継続に、少しだけスパイスを加えて。

 

たからこそ『そうだ、地元で買い物しようよ』『Shop Local』『Buy Local』キャンペーンを張ってもらいたいと思うんですね。各商店街が独自でやるんじゃなくてね、区商連でもなくてですね、区が『この地域を支えて地元を創り上げるのは、実はアナタなんです』的なスローガンを掲げてですね、生活の定着と住んでる地域への愛着度を上げる教育や啓蒙活動なんかを継続的にずーっとずーっと。

 

年がら年中区の広報誌にキャッチコピー載せてもらうもよし、年がら年中毎月第何曜日は地元でお買い物しよう作戦を打ってでるもよし。育っていく子供とその家族、一人暮らしのお兄さんお姉さんでもオッケー、今日明日の地元から何十年先の地元を繋げるのが当たり前になるような、そんな意識の変化が生まれればいいと思うんです。10年後20年後には、『何でも近所でお買い物すると街が大きくなるんだよね』と大きくなった子供達が当然のように言うのかもしれないし、『日本初上陸のオシャレっぽいお店より、何十年も続いてるお店がカッコイイよね?』とか当たり前のように思うかもしれないし。

 

頭に残る素敵なキャッチコピー(未定)で改めて地域に目を向けさせる作戦。

 

20160121

 

あ、そういえば3月頭まで港区ワールドフェスティバルの一環の商店街カードラリーもありますので、是非カード集めもしてみてくださいね。『港区』が変換間違いでよく『皆得』になっちゃうんですが、この変換ミス、結構イケてるミスだと思ってる。