本音を言うと、小学生への英語教育には疑問がある。我々とかそれ以上の年齢において、中学生からの英語教育が花開いてないよう思えるので前倒しすれば花開くんじゃね?という、非常にシンプルでわかりやすい理想がカタチになるのかどうか。数学のxとyを小学校の算数に前倒しするようなもんだと思っている。いいかどうかはさておいて。
近所の子のテスト前に英語を教え始めて約2年くらい。教えるというか問題を解かせる監視役というか。あれはその子が小学生6年生の時だったと思う。私立に通ってたので多少というか結構先取りをしていて、中学生で習うと思われる英作文に少しだけ四苦八苦していたわけさ。それが何かと言うと、比較級と最上級。
あれですよ、more ~erとか、the most ~estとか。英語の文法を説明でするでしょう、そしたら小学生曰く『比較級と最上級という言葉の意味がわからない』と。これとこれの2つを比べる時が比較級、3つ以上のものから一番の何かを見つけるのが最上級。ははは、そりゃ理解ができないよねえ。
いや、笑い事でも微笑ましいことでも無いし。まったく笑えない。
ネイティブ、文法気付かない問題。
『やっべぇ、日本語超難しいんですけど。というか日本語の文法っていっこもわからないんですけど』と、初めて感じたのが実は大学生の時。当時、日本語をお勉強しているアメリカ人のお友達がいましてね、教科書とか見せてもらったんです。英語で書かれている日本語の教科書。
んで、言われました。形容詞がわからないから教えてと。
まず日本人、形容詞という言葉を意識し始めるのは正直英語の文法を習い始めた時ではなかろうかと思うんです。そして日本人、その時に日本語の形容詞には少なくとも2種類あるということは知る術はなく、普通に暮らしてて気付くこともあるのかないのかという頻度。おそらく。
んで、言われました。『i-adjective <い>形容詞』『na-adjective <な>形容詞』の違いを教えて、と。
折角だから説明しておきましょう、わたしがぴちぴちの大学生だったころにショックを受け、当時の年齢の倍を過ぎても未だに脳裏に焼き付いてる形容詞事変を。
形容詞とは
なんでもとりあえずグーグル先生に聞いてみますと、形容詞とはまあそうですね、モノの一般的な形態とか様子を表す言葉です。赤いとか暗いとか、きれいとか静かとか。
ここでポイントなのが、形容詞には最後に『い』がつくもの、つかないものがあるということです。
主語+形容詞+動詞
りんご は 赤い です。
公園 は きれい です。
教室 は しずか です。
い 形容詞
モノの形状を表す時、説明する修飾語でもある形容詞。『赤いりんご』のように、名詞の前にそのままの形容詞をつけて意味が通じるもの。
ということは、『赤い』は<い形容詞>です。ということは、最後に『い』がついたら全部<い形容詞>と思いきや、どっこいどっこい。
きれい公園、ほらなんか変でしょう。
な 形容詞
先程の『きれい』という形容詞。『きれいな』、って『な』を付けるとしっくりくるでしょう。きれいな公園。このように+なを付けるといい感じになるのを<な 形容詞>と言います。
きれいな公園。しずかな教室。
基本、最後に『い』の付かない形容詞はこっちにあたると思うんですが、『い』の付く他の例外的なやつには『有名』とか『嫌い』とかありますね。
英語で言ったら不規則動詞とか、理解できなくとも覚えなければあかんもの。これが日本語にもあるということを初めて知った形容詞事変。外国人向けの日本語教科書で初めて知り、無意識の日本語の難しさを知る形容詞事変でございました。
文法とかそういうのは無意識。仕方がない。
そんな文法ってネイティブはやはり気付かないわけで、頭の中がどういう風に言語を理解しているのか本当に不思議なこともあれば、言語ってちゃんとルールが上手にできてて、言語学者が『全世界の人がわかるように作ってみた』とされているエスペラント語はどんななってるんだろうか、なーんてことまで考えてみたり。
米:なんで日本語こんなめんどくさいのよ!
日:英語だって似たようなもんでしょ!
米:英語簡単じゃないの!考えたことないわよ!
日:それいうならこっちだって考えたことないわ!
米:音もややこしいのよ!はだかわだかわからないのよ!
日:英語だってそういうのあるじゃないのよ!THE問題!
米:なによそれ!そんなの知らないわよ!
日:母音から始まる単語にTHEがつく時、ザじゃなくてジなのよ!言ってごらんなさいよアップルとトマトって!
米:ジ・アポー? ザ・トメィトゥ? ザ・アポー? ジ・アポー?……ほんとだーーーーー!!!!
そんなお友達は今となっては日本の大学で英語の先生をしている。さぞやいい先生になっているであろうと期待をしたい。
で、なんで急にこんな日本語とか英語の話をしたかと言いますとね、小学校と中学校の日本語学級を見学に行ってきたんです。そのお話は次に続く。