続きの報告書話。

前回、議員が出す報告書というやつについてルールがあるとこはあるっぽいというお話をしました。議員が作る報告書って、どういうレベルのものがちょうどいいんだろうかねと。これから色んな自治体も同じような感じなるんだろうかと、ちょっとドキドキはする。正直やりにくくなるのは嫌だとも思う。

 

議員の発行する報告書ってなんだろう

我々の活動の内容だとか、存在意義だとか、役割だとかを考えてると、何をどこまでお知らせする必要があるのかどうかはみんな悩むところ。「みなさんの知りたい情報ってなに?」「どういう報告書がいいのかな?」と、聞ける範囲で時々尋ねてみたりするんだけれども、自分の周りが特殊だと言われればそれまでなんですが結構な割合で「たまたまパッと目に入った興味のあるトピックしか読まない(ただし文字だらけは除く)。そして議員が誰かは気に留めたことがない」という感じの受け取り手さん多めであります。

 

そう、我々議員の報告書という物は、世間一般的にスーパーのチラシ以下であります。いや、スーパーのチラシほど素晴らしいものはない。我々の報告書なんて特定支持政党がある方にとってみれば、特定以外はゴミ以下の環境破壊のひとつくらいの悪な存在。

あっチラシ処分の際は、是非「雑紙」ジャンルの資源リサイクルでお願いします。再び蘇る(なんらかのカタチで)。

 

そんでもって、「自分、こういう問題をこう指摘してます」とか「こういう質問してみました」とか、議会内でやってる途中経過のご報告への興味はほぼゼロであるという。そう、悲しいかな、紙面の穴埋めくらいの認識でしかないらしい。いや、ちゃんと見てくれてる人はいるらしいけれども。

 

極端な話になってしまうと、「内容も見てくれもどうであれ、発行者がお前である以上、レポートという名の付くものすべてお前の選挙活動だ」と考える人は多分一定数いると思います。絶対いる。それはわからんでもない。

 

自分が関わったことしか書いてない内容なんて、何が区政報告だ」と考える人も一定数いるでしょう。「こういう質問しました」は人によっては「それ、ただの自分アピールじゃねえか」と。それもわからんでもない。

 

個人であれ会派であれ、まぁ同じですよね。「我々の推進で〜」って、もはや地球が丸いのも地球上に空気があるのすら「我々の推進で〜」的なモノ時々みますし、ビミョーな感じになりますよね。すわ、何でもかんでも某党のおかげらしいっすよ。

 

とかいって、そういう自分の努力とか取り組みとかバッサリ切って、お役立ち情報的なやつを中心にしたとしても、「役所がやってることなぞってのお知らせなんて、そんなの役所がやることでお前がレポートと称してまでやることじゃない」と考える人だっているかもしれません。というか、います。

 

いやホントね、難しいわよ。今更だけども、何報告するべきなのかしらと。悩み続けて8年目。毎回が試行錯誤。今の自分は「義務」くらいの認識。ご報告は義務。どんなカタチであれ。

 

 

報告書作成はコストもかかる

政務活動費を充当して作成し、かつ内容に悩む者としての究極の選択肢として、「何もしない」「自費で出す」という選択肢があるんだろうけれども、報告書を含め広報というものはコストもかかるものであります。ネットはタダだろ、外で手配りすればタダだろみたいなことも時々言われます。どうなんだろね。作るのだってコストかかるわけ。印刷代はもとより、人によっては1回ごとにデザイナーさんに校正お願いするわけであって、結構なコストがかかると思います。

 

その点、自分は自作だからそこの経費はかからないので、その分回数が出せるという利点はあるかも。でも校正ソフトウェアの年間利用料はかかってるし(最近は買い切りじゃなくてみんなサブスクってのもなんかちょっとね…いや便利だけどもさ)、素人作だから見栄え的なデザインセンスが欠如するリスクだって抱えてる(注:大したことない)。

 

いやぁ、本当に難しいですよねえ。議員なんかやってなかったら、ご縁皆無の費用であります。報告書なり動画なり、外注経費vs自作経費ですよ。自分としては自作経費の方が断然お安く上がる。お安いが正義かと言われたら、それも違うんだけども。

 

多分議員さんによっては「そういうモノ(報告書的なやつ)にこだわるやつほど知名度がない」と思うと思う。いやそれ案外正解かも。いやん図星。でも別に人気者になりたくて作ってるわけじゃないので、議員の中でも温度差はあると思う。そういうもん。昭和の時代じゃないですからね、今は。

 

 

もうちょっと広くお知らせしたらって言われたので

で、私これまで8年間のうち新聞折り込みというものをしたのがほとんどなかったんです。理由は「なんか恥ずかしいから」です。

 

ほら、報告書自作だし…どういうみてくれのものが正解なのか「良い」のかわからなくて、もちろん内容もね…、折り込みに耐えうるレベルで作れる自信がなくてほぼやったことなかったんですよ。HPに載っけるのが精一杯。でも、最近ちょっとやろうかなって思ってるんですね。というかやった。今後もちょいちょいやる。

 

あ、画面の向こうから「今になって始めるということは…」とか「わかりやすい自分アピールばっかりなの見え見えなんだよ…」とか言われがちなのも仕方ないことだとは思うんですけども、まぁちょっと言い訳させてくださいよ。エクスキューズ・ミー。

 

たくさんの方からのリクエスト…と見栄は張らない。ほんと近い人々3、4人とかですよ。「いつも報告書送ってくれるのありがたいんだけど、もっとたくさんの人に知ってもらわないとダメなんじゃないかしら?」と。別にそれ「実現まで頑張りました!」みたいなそれこそみんな我こそはとこぞってやりそうな実績アピール・実績横取り的はやつじゃなくて、ほんと「困ってて必要な人とか、近所の人が知るべき内容よ」と優しい言葉をかけてもらったわけ。3、4人の方から。感想少ねぇとか言うな。凹むから。別に報告書づくり趣味だからいいんだけども。

 

信号機の上に付けてもらった標識のちょっとした話とか。ご近所ニュースがいいんだって。それ以外の「いわゆる議員ぽいやつ」は興味ないんだって。いやん。

 

ほぉ。そっか、そういう考え方あるんだ、と改めて思い知らされたわけ。だって正直なところ、ほら報告書づくりって議員やってる自分の趣味の一環になってて(雑記の長文ブログもそうですよ。委員会報告含む、作文がそれほど嫌いじゃない)、ちょっと自己満足で終わってたところがあるんです。

 

ちょっとかわいらしく作れるようになったし。でもこれでも「文字多すぎ」と言われることたくさんあってね。そう、「もっと隙間スカスカにしろ」「字じゃない画像、多く大きく」とご意見をいただくわけですよ。もちろん「お前の写真はいらん」もあり、「ですよねー」以外の回答求む。名前もなんも身元を明かさずこんなん作ったら、ただの怪文書ですよ。

 

自分は思いました。「イラスト含む、参考画像枚数・大きさ規定」的なものが港区議会にもあったら、一般が読みやすいお知らせは作成不可能だと。それならむしろマンガがいい。マンガ描ける人募集。

 

 

よろしい、ならば独自路線だ

街場への情報伝達という点で、新聞折り込みとかポスティングとかそういうのはまったく念頭になかったわけ。恥ずかしいから。でも、昨年かな、秋の決算委員会でもこういうこと述べてたこともあったんだけど、ほらワクチン接種推進で毎日こっちも必死でさぁ。痛感したのが「街場に情報が届きにくい」という1点。

 

おーい、1年前の自分よ〜、お知らせはバカバカ作って新聞に折り込むという手段もあるぞ〜、と教えてあげたい。新聞取ってないご家庭もものすごく増えてるから情報提供で偏る上、紙媒体の提供が正解かどうかはおいといて、区の情報伝達が足りないと文句を言うのであれば、自分ももっとお手伝いするべきだったと反省をしました。壁には貼ってたけどさ。今から始めてどうするよ、と今更ながらの後悔はありますが。まぁまぁそれはそれで。

 

そんな今でも大型アップデートが入るたびに作って壁に貼ってる。見てくれる人も実は結構多いらしい。時々立ち止まって読んでる人を見かけるよ、と教えてもらうこともあるからそうなんだと思う。なお、外に貼ってるやつは「資料作成費」という枠です。広報費とは別枠で使わせてもらってます。自分のこだわり。「広報費でもいいんじゃないの」と言われたこともありましたけど、「このスタイルならあくまでも資料(自分の中で)」と決めてる。

 

ただ、すんげーちっちゃいけど「作成:港区議会議員 小倉りえこ」とは入れてます。入れなかったらどこの誰がなんのアレで作って貼ってるか、怪文書の類になっちゃうじゃあないですか。

 

これもまた全然こちらの内部の事情のことなんですけれども、ほら自分一応自民党さんじゃないですか。自民党さんって11人もいるんですよ。で、大体「ここらへん」という活動エリア的なものが暗黙の了解であったりするわけ。別に自民党さんに限った話じゃないですけど、完全なる住み分けをしている政党さん以外、陣地争いしがちです。ご縁はないですけども。

 

なので、例えば新聞に折り込みしてお知らせをするのも「基本、麻布と名の付くところだけ(ただし一部を除く)」と。改めて考えると、自分の活動範囲ってすんげー狭いのよね。でも逆に狭いからこそ目が届くというか、地に足つけられるというか、いいところたくさんあると思ってます。

 

だからそういう時は中身を変えて、ご近所に特化するようなものを増やすべきかなあって思うわけで、そういう感じで作ってみようっと、と思った次第であります。「そういうのすらダメ、政務活動費を充当するなら文字だけにしなさい」という決まりができるまで(開き直る)

 

あんま上手じゃないけど、こういうのも作れるようになったし。

 

 

ま、そんなことはさておいて。

政務活動費を使うことについての是々非々をGooge先生に色々聞いていきますと、前回記述した千代田区のとかひっかかったり色々読み進めていく中で、時折第三者の有識者見解として「広報費が約半分ですかぁ…」なんてご意見も見ることもあります。これってネガティブな話になるのかなって思うわけですよ。

 

自分の場合は発行枚数そんなに多くないけど、港区の人口26万人くらいですよ。世帯数でいっても14万とか15万とか。世帯数が数字というわけでもないけど、ポスティング料金が例えば1件3円だったら45万円とか、5円だったら1回で75万円とか、10円だったら150万円とか(極端)。なお、新聞の折り込みだったら3.3円。新聞組合さんのほうで、折り込みに入れられるか否かの基準もあるわけで、なんかもうバランスですよね。色々な意味で。郵送は1通84円とか94円とかですよ。

 

広報媒体で「やってる感」を出すのは、正直すごく簡単です。自分が言うのどうかと思うけど。なんも関わってないことを「やりました!」って言えばいい。区役所のみなさんの努力を簡単な一行で掻っ攫ってしまいなさい。でもそんなのすぐバレますから。発行してる時点で「やってる感じゃねえか」と言われたらもうそれまでなんだけど、価値観の違いだから別に否定するアレでもなく。何はともあれ、内容が内容なので「報告書は作ったやつが勝ち、もしくは負け」みたいなことにはならないようになってほしいなと思います。

 

あっチラシの処分の際は、是非「雑紙」ジャンルで資源リサイクルでお願いします(大切なことなので2度書きました)

 

でも、本当に頑張ったこと・頑張ってることは、誇張じゃなくて嘘でもなくて「が、がんばってるんですぅ…」と途中経過はちょっと言いたい気分の時もある、だって議員だもの。りえこ。

 

次回は、興味深い資料を見る機会があったので、判例と共に摩訶不思議な事例をご報告してみたいの巻。あっやめて議員のみなさん石投げないで。