国際化って

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私の思う国際化ってのは、日本という国に誇りを持って、自信たっぷりに良いところや悪いところを私たち日本人が把握することです。決して外国の方にいたせりつくせりで、日本の中で日本人を隅っこに追いやってしまうことではないと考えています。そしてその逆でもないです。

これからグローバルな時代だから!とか国際化社会だから!と言われる中で、私が一番心配しているのが『何よりも語学ペラペラ!イェア!』という斜め上の国際派の増加と、『日本ってかっこわるー!しょっぼーい!』という残念な日本人の増加です。

なんせ、昔の私がそうだったわけですからね。実体験があるからこそ、自分みたいな人をあんまり増やしてもよろしくない。経験を経てよくわかったということでありまして、やらなきゃわからんと言えば、それもその通り。

11年ほど暮らしましたが、正直なところ英語ペラペラかといえば、案外そうではありません。ヘラヘラくらいか、ペラペくらいでしょうか。TOEFLなんて泣きながらやっても全然できなかったし、何となくチャレンジしたTOEICなんて1ヶ月本気で勉強しても満点取れないし。

経験に基づいた持論。それは母国語の日本語でわからないことは、外国語でも絶対わからない。語彙とか単語とかそういうレベルの話じゃなく、論理の組み立て方だったり、話題の中身クオリティだったり。読み取る力、考える力というものが伴わない。多分。国語が苦手だったから、余計にそう感じてる。

基礎は母国語。これ基本。

何言われてるかよくわかんないけど『オウ、イェア、アッハーン』って繰り返して、何となくそれっぽい一方通行なコミュニケーションを取る姿勢をみせるより、お互いサッパリわからないかもたけど身振り手振りしながら何となくそれっぽい両面通行の意思疎通を図る姿勢をみせるほうが、コミュニケーション成立するような気がするんですよ。

日本を知らない人に日本をどれだけ伝えられるかというのも、とても重要。そしてそれには知識が伴う。生活の中で少しずつ少しずつ当たり前に触れていること、それが世界の中では一般的ではないかもしれないこと、それに気付くための国際化かと。

例えばおもてなし。もてなし。もてなすって何?

親切にすること?相手に良かれと思って行動を起こすこと?相手のことを思って、何かを必要としているだろうと勝手に悟って先手を打つこと?

『お腹空いてません?』

『いいえ、大丈夫です』

このやりとりの中で、複数の見解の違いがあるかもしれないし。それは文化の違いからかもしれないし。

『お腹空いたなー、でも一人でなんか食べちゃうのもなんだし、相手にも聞いてみようかしら?食べないかなー?』

『私は全然お腹空いてないけど、相手は空いてるかもしれないなー』

あなたも一緒にと誘っているのか、単なるオファーなのか。日本的には上の方の解釈の方が多いような気が。そして欧米だったら下。でも両方親切心から。

『えー、準備とかあるだろうし、面倒かもだし、悪いから結構ですよー大丈夫ですー』

『お腹空いてないのでいりません』

上は遠慮、下は否定。

日本のおもてなしは良かれ良かれと思って礼儀の上で成り立つこともあるし、でも他の文化の方からしてみれば御節介で迷惑、なんて思われたら本末転倒。

日本人と外国人の間だけで成り立つわけじゃなく、東京と京都の間でも成り立つものだったりして。上がってぶぶ漬け云々の話、よく聞きますし。文化の違い。国外だけじゃなく国内でも。

日本語ではこんなこともありえるんですよーとか、おもてなし精神が生活の中に根付いているから、自然な振る舞いで色々しちゃったりされちゃったりなんですよーって。

自分の国の言葉とか歴史とか文化とかって地味に大切なんだなーと、感じて興味を持ってもらうことが第一歩。外国の人のために優しくするだけの国際化じゃなくて、日本人が日本をもっと知って好きになるというための意識改革。双方に有益でなきゃダメ、その中でも日本人へのメリット多めで。これが日本の目指して欲しい国際化。

でも、参政権は別の話。全然別。違う次元。

そういえばルパンでは次元が好きです。昔は五右衛門だったんですけどね。