港区まちづくり条例を活用したまちづくり

港区まちづくり条例を活用したまちづくり』というものを一度じっくり考えてみるべく、立ち止まって振り返ってキョロキョロしてみる時期でございます。どうもどうも、小倉りえこです。前回、住民参加のまちづくりというものの壁が思った以上に高いんだよね的なお話をしました。

 

自分たちの街は自分たちでどうにかしてくださいね。役所はバックアップしますけど

 

簡単に言うと住民参加のまちづくりの基本はコレ。まちづくりっていうととても大きな枠と概念になってしまって、とってもわかりにくいですよね。でも疑問出てきませんか、『役所はまちづくりしないの??』と。むしろ『役所がやるまちづくりって何??』という素朴な疑問かでてくるもんです。ええ、でてくるもんなんです。パンフを読むとさらにばーん。

 

例えばこれ、区役所のHPで公開しているまちづくりのパンフなんですけどね、こうこうこういうことが気になっているorこうだったらいいな的な希望がみなさんありますよね、なんてことがちょこっと書いてあります。

 

子どもやお年寄りが安心して暮らせるコミュニティのあるまちになるといいな

花を植えたり、きれいなまちにしたい

にぎわいのある商店街にしたいな

 

うん、これはわかる。ですよねー。

 

歴史的な雰囲気がいつまでも残るまちにしたい

沿道のデザインが統一された美しいまちにしたいな

災害に強く、犯罪のない安全・安心なまちにしたいな

緑が豊かなまちにしたい

 

これは…どうなのかしら。確かに誰もが『そういうのがいいな』と感じるはずなわけですけども。でもこれって住民主体でやるべきものではなくて、自治体が率先してやるべきことなのではないんですかね、と思っちゃうわけです。住民発案から本腰入れて考えるものではないでしょうに、なんて色々見たり聞いたり調べたりする中で矛盾を発見してモヤモヤしています。

 

この辺のことはまた今度でですね、とりあえず先に求められるものと手順を。

 

1. みんなでまちについて考える

お役所のマニュアルではお勉強会を開いたり、まちあるきをしたり、区に相談をするって。要は地域の課題とかをみんなで考えてみつけましょうね、というやつ。

 

2.  活動の輪を広げる

港区さん、うちらこういう組織作りましたんで!』と登録をします。区による支援と応援をもらうために登録をするという感じかしら。登録のための申請書類もありまして、組織の規約とか作らなければいけません。目的とか会員とかお金とか役員とか、結構ガチなやつ。ガチじゃなくともいいんだろうけど、『がんばります』だけじゃダメっぽい。その他、まちづくりをする範囲を白地図かなんかにググーッと線を引いて、その面積も出してくださいとか。何ヘクタールとかそういう面積。さすがに面積なんかはお役所に計算をお願いしないとね、善良な一般ピーポーは無理ですよ。

 

そんな中、『活動範囲が0.1ヘクタール以上』、『組織構成員が10人以上』、『組織構成員の2/3以上が区域内の区民であること』とか、条件がいくつかあります。

 

そういえばヘクタールって久々に聞いたなぁ。0.1ヘクタール=1000平米。100メートルX100メートル以上の範囲でまちづくり組織の区域を登録。

 

 

3.  将来像を共有する

パンフレットによると、『将来のまちの様子を思い描き、実現するために何をしたら良いかを話し合います』『地域の区民のみなさんと考え方を共有する段階です』だそうです。

 

そこで先ほど登録した組織は理念を作成して地区まちづくりビジョンとして登録することができる、とあります。『登録することができる』という表現になんか違和感がありますけど。ここで重要な登録要件というのがありまして、『区域内の区民の過半数の合意』が必要になるということ。ビジョンを登録するにはこれをクリアしなければなりませぬ。

 

区域内に100人いたら51人の区民の賛成が、1000人いたら501人の区民の賛成が、10000人いたら5001人の区民の賛成が必要だということですね。ふむ。

 

平成29年5月現在、3つの組織からビジョン登録がされているようです。

 

4.  まちのルールを作る

さて、みんなで考えたビジョンとやらが区域内の区民の過半数の賛成を得たとしましょう。次にしなければならないことは、そのビジョンの実現に必要となる取り決めごとを作ります、ということだそうです。なるほど。

 

例えばパンフの中に出ている例として、『住民にやさしいみどり豊かなまちづくり』というビジョンがありました。ここから派生するのが『 街並みの緑化に努める。対象者は道路に面する緑の保全育成に努めてください』というのがルールになるのかな。なるほど。そしてそのルールを守るために実施する具体策の申請とやらもセットになって、『建築を行う方は、各自が確実に管理できる範囲で、道路沿いの緑化計画をまちづくり組織に申請・提案してください』と決めていくわけですね。ふーむ。

 

このように、このビジョンを作ったあとはハード面(例えば建物の建て方)・ソフト面(例えば美化とか防犯活動とか)の両方で細かなルールを作っていくことになります。

 

これもすべて、地区まちづくりルールとして区に認定してもらうためなわけです。ここでも重要な登録要件というのがありまして、『区域内の土地所有者の過半数の合意』が必要になるということ。ルール認定にはこれをクリアしなければなりませぬ。住民とか区民とか関係なしに、土地所有者かぁ…。

 

地区まちづくりリール認定審査会で審議なりされて、認定されるという流れのようです。平成29年5月現在、2つの組織のルール認定がされているようです。

 

5.  まちづくりを実践する

で、ここまでやって、ようやく『地域のみんなでまちづくりを具体的に実践していく段階です。区民、事業者、区が連携し、できるところからまちづくりに取り組みましょう』ですって。

 


とりあえず、まちづくり条例を活用したまちづくりというものをやるための手順というのがこんな感じ。ざっくりで。どう思う?