駐車場、いる?いらない?

東京都の条例で、駐車場附置義務というのがあります。要は、ある一定の大きさの建物を建てる時は駐車場を付けることを義務付けますね、という条例です。具体的にいうと、建物の延べ床面積がだいたい1500㎡を超えたら広さに応じた数で駐車場を作りなさいよと。

 

都心における駐車場、立場によりけりでデッドスペースとなりうるもの。前々から気になっていることでして、どうにか緩和されんもんかと思っていたんですが、とうとう港区も独自のルールで色々と検討を始めるとかどうとか。これは素直に素晴らしい。ただ山ほど言いたいことがある。

 

駐車場、欲しいヒトと欲しくないヒト

人によって『駐車場余りすぎ』という風に感じる人もいれば、『駐車場全然足りない』と感じる人もいますよね。車を持って乗ってる人は『住んでるマンションに車を停めたい』と思うだろうし、『買い物行くとこに駐車場あると便利』と当然思うでしょう。

 

その中でも『タクシー以外とにかく迷惑』という人もいれば『配達の車なんか特に邪魔でしょうがない』という人だっているだろうし、とかいって『店の前の仕入れのトラックだけ狙って駐禁切る仕打ちって下衆の極み』と思う人もいれば、『車なんて無くていいよ』という人だっているわけです、世の中には。

 

世の中の流れとして、『駐車場をどこかにひとまとめにしたら、車が少なくて歩行者が安全ですね』なんて感じです。むしろ歩行者天国くらいの勢いで車を排除するのが正義だ、そんな雰囲気すら感じることがあります。

 

商売をする立場にとっても『駐車場欲しい』『駐車場いらない』の2択です。

 

そう、世の中にはざっくり4種類のヒトという生き物がいて、『駐車場が欲しいヒト』と『駐車場が欲しくないヒト』、その中に『自分の土地に駐車場欲しいヒト』と『自分の土地に駐車場欲しくないヒト』がいるわけです。

 

そもそもの始まり

老朽化した建物を建て替えしなきゃいけないけど、今の規則だと駐車場付けないといけないっていうのが厳しいんだよね。店やれる(貸せる)スペースないじゃん

 

駐車場附置義務というのに関心を持ったのが2年近く前。こんな声を聞きました。

 

同じくらいに『駐禁が厳しくて営業妨害に近いくらいになってきた』、その後に『規制があるから建て直したら商売辞めなきゃいけない』、そんなことも耳にするように。

 

駐禁に関しては、地域で取りまとめて『ここは商店街だからよく考えていただきたい』と、警察署に駐車取締監視員の活動をちょっとどうにかしていただきたい旨の要望書を持っていったことはありました(2017.5.26 『違法と放置と必要不可欠と』参照)。

 

その後、少し駐車監視員の動きが少し変わったと思うんですよね。ただ、人事とかそういうのが変わったらすぐに元どおり。どれだけの頻度で同じことを繰り返さなきゃならんのかと、頭が痛い。

 

こういう時、行政としての考え方は『駐禁とられないように一人多く随行して誰か車の中に残せるような体制作ればなんの問題ないじゃないですか』となります。というか言われたことあります。公務員だって人件費カットでみんなヒーヒー疲弊しているはずなのに、コストかけて人件費を倍にしてもらうように予算編成をトップにお願いしてみたらどうですか、できないでしょう。そんな嫌味ひとつ言いたいくらい感覚が異なります。

 

色んな立場で色々と事情があるわけです。ま、それはおいといて。

 

規制と緩和。このバランスというものがなんか崩れているような気がしてならないこの世の中。今片方に寄りすぎてるような、戻そうとする努力があるような、ただなんだかそれすらバランスがずれてるような気がしないでもない。特に商店街。

 

駐車場を集約化する

港区低炭素まちづくり計画というものがありまして、色々細かく説明すると時間も文字もびっくりするほど多くなってしまうので割愛しますけれども、要は『今まで東京都のルールと細かな計算式があって、広さによって何台駐車場を設けなきゃいけませんよという計算式を見直しますね。だって車の数と駐車場の需要数とか昔とは違いますもんね』ということです。つまりは緩和をしていく傾向に。

 

とっても良いことです。何度でもいいます、これはとっても良い。

 

駐車場を探し求めて排気ガスを出しながら街中をぐるぐるするのを防ぐため、駐車場はここですよとそれ相応の整備をしてあげてですね、無駄なウロウロを無くしてあげればそれが『低炭素社会』であると、お役所はそう考えております。だから駐車場をバラバラに作るよりはなるべく複数箇所にまとめちゃおうと、まとめられるようにするルール作りを始めますと。ただし今のところは再開発のある4地域だけが予定されていると

 

もう意味わかんない。わかるんだけども、わかんない。再開発するとこだけですか、そうですか、誰のためですか?

 

荷捌き車は対象外

さて、最初の方に戻りますけれども、緩和する方向というのはとってもいいことなんですが、いかんせん『大規模再開発』をするところだけを優先的に、そして全力でというところがずっとひっかかっているわけ。ひっかかるどころか、文句を言いたいことがたくさんあるわけです。

 

まずは、急に緩和することになった経緯。これまでは『東京都の条例がありますんで』と頑なに区ではどうにもできません感を出してましたが、それが急に『地域ルールを作るということが決まってなかったのでできませんでした』と。自分がそこで『ああそうですか』と引き下がってたわけではないけれども、自分がものすごく非力で情けなく感じたわけです。

 

商店街がある商業地とか近隣商業地をまず何よりも優先して附置義務の緩和をしてもらいたいんですよ。1年くらい前からちょこちょこと話をしているんですけれどもね。

 

どこかにまとめて停められる駐車場があれば、そこで受け皿として附置義務緩和はなんとななるかもしれない

 

この辺の考えはありがたいし、まぁそういう答えになるだろうなと。でも、

 

業者とか仕入れとかそういう荷捌き用の車は対象外。設置義務は原則残ります

 

これ、問題がこれなんですよ。

 

荷捌き用の駐車場は商店街が整備すればいいんじゃないですか』なんてものすごく無責任なことすら言われたことあります。頭の中で戦いのゴングが響きましたよ、そりゃもう。ならそれ用の土地を区が用意しておくれ。それとも個人商店主に店を閉めさせてみんなが共同で使える荷捌き駐車場用地を提供させろと言うんですか。それともそういうの上手くやってくれそうなデベロッパーにたくさん土地売却して商店街の店舗減らしていけっていうんですか。んなアホな。

 

駐車場を集約して附置義務の緩和(ただし荷捌き車は除く)することで活発な経済活動が期待され、環境負荷の少ない交通環境が実現すると。へえ。ふーん。そろそろ普通に生活する普通の区民のためにまちづくりしてもらえませんか。商店街活性化問題だって、学校教室足りない問題だって、保育園足りない問題だって、ベースとなる全体のまちづくりがキモなんじゃないかなって。

 

やる気

『原則』という意味をどこまでどう認識するかで色んなことが違うようになると思うんですよ。もうね、来月からの任期最後の定例会はですね、一般質問から予算まで全部これ関係の質問になりますよ、たぶん。どうやってまとめようか、先月からずっと頭を悩ましているわけ。でもやる気満々、多分何人かの課長さんがその上の部長を連れて『その質問取り下げてもらえませんか』ってくるだろうけれども、絶対イヤと突っぱねようというくらいの気持ち。

 

そうそう。こないだの夏にね、こういうこと色々と本当かどうか確認するためにですね、港区選出の山田みき代議士を頼ってですね、国土交通省の人に色々教えてもらいにいったんですよ。

 

『区にできないを連発されるんですが、本当にできないもんなんでしょうか』

区のやる気の問題です

 

おけ、了解した。みんなの元気とやる気をオラにちょっとずつ分けてくれ。