要は、「長く欠席が続いたら減額しますよ」という条例が始まったのが令和3年の1月。今、欠席が続いて該当させるかさせないかの議員が存在するので、先日この件について話し合われた会派幹事長会を見学に。
私もお休みしたことあります。
自分、議員のお役目いただいて8年目。この8年で一回も休まなかったかと聞かれたら「否」であります。実は7日…いや8日くらいかな、家族のオペの付き添いとか介護的なやつのみの理由で欠席したことあります。今のとこ自分の体調不良でのお休みはなく、とかいっていつも元気なのかといえばそうでもない。
で、そのお休みしたことある何日かというのは、確か…そうそうそういえば全部予算委員会だ。
例えばですが、秋の決算と春の予算の委員会はだいたいこんな感じのスケジュール。質問者数と時間によって振り分け左右されますが、基本「◯◯費」という項目分けで。
で、昨年の予算委員会はこんな感じでお休みをしました。こないだのじゃないよ、その前。介護。めっちゃ介護。
なんというんでしょうかね、「これだけは質問したい!」という◯◯費の日だけ質問しに行き、あとはお休みするというスケジュール。逆に考えると質問をしなければ欠席が可能ということでもあるんだけど、というか別に欠席に理由なんぞいらないかもしんない。結構いますし、いない人。「何名以上の出席がないと会が成り立たない」とか、「成り立った場合でも会派の半数はその場に存在しててね」というような申し合わせもあることから、出席者については色々ありますけども。色々ね。
ま、お休みしててもライブ配信でちゃんと見てたりはしてたんですけどもね。
60日以上連続してお休みすると、議員報酬減額条例
この何年間かで、いろんな議会でこういう条例を設けるところが増えてきました。港区は令和3年の1月から開始ということで、もちろん背景にはいろんなことがありました。ほら、辞職勧告された後に長くこなかった人いるし。お休みがちな人もいるのも事実。理由は詮索しないけれども。妊娠出産とおめでたいことだってあるわけ。めでたい。
他の議会とかでは、「1年以上お休みした人」とか「ひとつの定例会を全部欠席した人」とか、適応や内容はバラバラ。これはもう仕方ないと思う。みてる物も目指す物も各議会バラバラだから。
除外される条件もあるし、合意されたもっと細かい申し合わせ事項というものあります。あるんだけれども、「これどーなのかしら」というケースが浮上してきたわけです。いや、いつの日かはこうなるとは思ってたけれども。
とある議員さん、Aさんとでもしましょうか。当選されてしばらくの間は議会でお目にかかることもありましたが、ここ1年とか2年くらいの間は正直ほとんどお見かけすることなく(委員会も違うから仕方ないけど)、定例会もあぁ今日はいるんだなと思ってたら翌日からずっといなかったりとか、なんかもう大丈夫ですか?(色々な意味で)という方いらっしゃる。要は来たり来なかったりが長く続いて、お元気がないなら今こそスマイルセラビーでは?と思います。
どのくらい来ていないかとかそういうのよくわかりませんが、少なくとも自分はこないだ3月の予算委員会で委員長してまして、やってる間は毎日欠席者を読み上げるというお仕事からスタートするので、少なくとも毎日欠席者として読み上げておりましたね。
ま、そんなことはおいといて。見学しにいった幹事長会では2つのことが議論されてました。①欠席日数のカウント、②診断書の扱い、です。まぁ内容は割愛するとしまして(ややこしい)。
そりゃまぁ抜け道的なものはでちゃうかもね
条例の制定時、もちろんいろんなケースも想定してあーだこーだで作ったわけですけれども、まぁアレですよ、性善説といいますか、抜け落ちるケースまで想定したものはなかなか作ることはできないと思います。抜け落ちるというか、「えっまさかそういうの出てくるとは!?」という方が正しいのかな。なんかあるとメディアで取り上げられたりとかそういう類で、大勢の皆さんに「そんなことがあるのねぇ〜」と認知される程度のもんです、議会の悪目立ちするところ。
わかりやすいケースとすれば、東京都の例の結局辞職した都議とかね。港区議会にも辞職勧告受けた議員もいますけれども、一時はずっと欠席されてたことありましたが、今は普通にいますし(時々いない)。要は外からの目が入るか入らないかで忘れ去られる場合はよくあります。
いろんな自治体で議会基本条例というのがあるところもありまして、「議員たるものこうあるべし」みたいな「みんなちゃんとしようね」の旨を記した条例を作ろうと一時期ブームになったことあります。港区議会でもそういうブームというか流れに乗って他の会派からそういう話も出たことありましたけど、「中身がなんもない見てくれだけの議員がパフォーマンスしやすいためだけの条例なんぞなんの意味がある」と自民党会派は一蹴した記憶があります。まぁ私もそう思います。
だからこそ、中身のないものより、こういう減額条例みたいな中身のある具体的なものが必要で、しかもあわよくば「適応させることにしちゃうとなんか注目されるかもしれないからやだなあ」とか「冷たい人とか思われるの心外」とか、葛藤があるのかもしれないですけど、変な前例作られるより一発目は厳し目に対応する方が残されるみんなのためになると思いますよ。
ただ、ただですよ。例えばの話、極端な例になるかもですけど、もし当選直後に「議会の独特な文化にやられちゃて、適応障害のため次の選挙まで4年の休養を要する」って診断書提出する人がいたらどうなるんだろうって思うんですよ。
「れっきとした診断書あるから適応除外じゃないか」
「4年間基本お休みで、時々出れるならそれはそれで」
「60日に1度委員会に出てもらえば該当しないわけだから」
極端なことかもしれないけど、こういうことがまかり通る可能性が大なんじゃないかと思うんです。議会の中では。
「次休んだら、減額条例に適応されますよ」
「え、なら次だけはいきます」
極端なことかもしれないけど、こういうことが結構まかり通るのが議会。もちろんそんなのダメだという会派がほとんどだったとしても、1つの会派が「大目に見てあげなよ」と言ったら全会派一致にならず、まかり通る。ような気がする。
ま、でもこういう極端なケースになった場合、投票してくれた方はそれも込みで票を投じてくれたと判断することもあるだろうし、お辞めになったらいかがですかと辞職勧告的なものをオファーすることになるのかもしれない。そういう時にならないとわからん。
こういうの、区民の皆さんが聞いたらどう思います?
残念だけど、外からの目がほとんどない
議会ってとてもクローズドな空間で、自分8年目だけどおかしな話とか山ほどあって不満に思うことも多々ある。多々どころじゃない、常に不満。長くやってる人からすれば「これが議会、お前はシロウトだ」であって、でもそれは議会じゃなくて会派の中の話という混線したモヤモヤの中でそれぞれ議員活動をしています。
うん、不健康。とっても不健康。
で、議会のこんな不思議やあんな不思議を外に向かってお知らせしようとすると、中の人にしてみれば「裏切りの暴露」になるんだろうなあなんて思ったりもするけども、知らんぷりでいい顔してるよりは皆さんに知っていただくことが必要なんだろうなあって、色々思います。あ、もちろん自分の振る舞いだってね、「あいつ、ほんとダメ」みたいなことだってあるだろうからね、自分を棚に上げるわけでもない。
我々議員には成績表というのがないんですよね。そりゃみんな自分で作ったらオールAでしょうし。選挙は…なんというか模試みたいな感じ?学校に一度も来なくとも模試の成績がよかったらそれはそれ、みたいな。ちょっと人気投票みたいなところもありますしね。
成績表もそうですけど、出欠表も一般にはまったくわからないんですよ。定例会とか委員会に誰が来てて誰がいなくてとか、積極的にお知らせもしていなければ、ライブ配信ある委員会以外は傍聴に来てる人しか知る術なし。というか、傍聴もほとんどいないんだけども。私ね、公開していいんじゃないかとも思うんですよね。自分が欠席の時だって晒していただきたい。だって休んでるんだもん。しゃーない。
議会にこういう登庁版あるけどもさ。
決算とか予算委員会は中継がある時、冒頭に委員長が「本日は◯◯委員から欠席届が提出されております」と一言ある。でも中継のない常任委員会とかだと、これを一般の方が知る術は何ヶ月か後の議事録しかない(港区議会HPでわざわざ検索)。
ちなみに本会議場では「ただいまの出席議員は◯◯名であります」って冒頭に議長が言うだけで、誰か欠席してても名前読み上げられるわけではなく、なんか不思議なのよね。
こんな感じの座席配置で、あんま後ろ側とか反対側の端の方とか、ぐるりと振り返らないと見渡せない席に座り続けて8年目。港区議会議員34名。なので議長が「ただいまの出席議員は33名であります」と、例えば34名という数字じゃない数を読み上げた瞬間、「え、誰かいない人いるん?」とそこで初めて気が付くパターン結構多し。自席から見えねぇもんよ。
とまぁ、半分愚痴のような感じであるかもしれないけど、自分としては議員としてのお役目もらってる以上、出欠表は公開していいんじゃねーのと思うことしばしば。ただ、出席してるから偉い、欠席してたらダメというものではないことは十分わかってるし、ほら、いるだけの人もいるし、自分らの都合というよりは有権者の区民の人向けにお知らせはしてあげるほうが丁寧だとは思います。
少数意見なんだろうなあ、こういうの。