接種率と職域接種の話

港区のワクチン接種はとても順調だと思ってる。その理由は考えうる限り3点あって、「集団接種に特化したこと」「ファイザー以外のワクチン製剤にも真っ先に手を挙げたこと」、そして「接種券を一斉送付したこと」だと信じてる。割とガチで。

 

予想通り、20代〜50代はそこそこ職域接種が多い

5月中旬から高齢者接種が始まったことから「とにかく情報を公開してじゃんじゃんPRしていって!」という要望に応えてもらい、Twitterや港区HPで状況のお知らせを頑張ってもらってます。港区頑張ったよ(現在進行形)。

 

で、こういう8/30付の集団接種予約状況があるんだけど、こういうグラフをパッと見て、たくさんの人はこう感じるんじゃなかろうか。「20代〜40代、想像以上に少な!」と。そう、これはあくまでも港区がやってる集団接種状況。港区の接種券を持った人が港区の予約システムを経て、港区が開けてた集団接種会場にワクチン打ちに行った人(これから行く人もか)の割合。

 

小倉家も入ってるぜ、48.8%の中にな。フヒヒ。

 

で、日付は一日ズレてるけども、先日区長記者発表とやらでドヤ顔で発表した割合がこちら。集団接種以外の機会も含めて「住民登録してる港区民でとにかくワクチン打った人々の割合(ただしVRS入力されたものに限る)」です。

 

 

多少のパーセンテージのズレの理由は後に予想を述べますけれども(おそらくVRS入力)、単純に比較して言えることがあるとすれば、「やっぱり20代〜50代は職域とか他の機会を利用してる人が多かったんだな」じゃないでしょうか。濃い青色との差が、港区集団接種以外でのワクチン接種という意味ですから。

 

なお、とある筋からの情報ですと、港区民で自衛隊大規模接種のご利用は少なめだったようです。それはそのはず、港区の集団接種がサクサクでとても優秀だったからね。ファイザーもモデルナも、はたまた日にちも選び放題でしたから(8月上旬くらいまでは確実に)。自衛隊接種のご利用は高齢者が一番多かったようですが、限定した接種会場の選択による先の予約(数週間〜1ヶ月後とか)の敬遠や、しばらく様子見後に予約取ろうかなと思ったらだいぶ先しか空いてなかった等による選択だったかと想像します。想像ね。でも一番ありえるパターン。

 

 

VRSとはなんぞ

内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室の資料抜粋ですが、要は「ワクチン打った人記録システム」です。今のところ、これが唯一の国内一元化データバンク的な扱いで、ここに入力されたデータを元に各自治体が「うちのとこ住民の◯◯%接種しました!」とアピるためのソースになります。

 

ワクチン接種を推進していきたい自治体にとっては、このVRSがキモであります。なぜなら「職域接種、すんげーたくさんやってるはずなんだけどデータがないからあとどれだけワクチン確保すりゃいいのかわからんちん」とか、「結局区民がどれだけ打ってるのかわからないから方針も立てにくい」とか、色々あるわけですよ。自分が気になってるくらいですからね、行政が気にならないわけがない。

 

で、なかなかこういうのが出なかったのには理由がありまして、それがぶっちゃけ医療機関とか職域接種とかはたまた自治体とかでVRS入力をすぐにやってくれないということでした。もう言い切っちゃう。アナタのとこの入力待ち(注:しっかりやってくれてるとこもちゃんとある)。いや、人手がいるのもよくわかるけれども。

 

お願いです。可能な限り早めの入力を……。いくら「接種した人が住んでる各自治体へのお一人2,070円請求は基本翌月10日まで」とあっても、VRS入力はお早めに……。

 

 

職域接種の話

職域接種といえば、港区がやってる職域接種に港区商店街連合会の関係者も混ぜていただいたのが先月のこと(注:受付期間はすでに終了しました)。これ、本当は麻布十番商店街の中(接種会場の意味)でやる予定だったんですよね。あああ本当に残念だったなぁ……準備すんげぇ頑張ったんだよなあ……。

 

あれはいつのことだったかのぅ、6月くらいだったかのぅ。「やろうよ」「やろうか」、そんで区からも支援もいただくことになってね。我々、産業振興課とやる気マックスでオラオラ準備してたわけよ。

そしたら「ワクチン足りないかもなので職域接種の新規申し込み中止しますね」なんてことになってね……。でも申請したのその前なんですよね……。

 

医療機関にも全面的にご協力いただくことになってて、会場レイアウトとか予約サイトとか接種の回し方とか全部ある程度打ち合わせ済みで、あとはワクチン待ちだったの。でも色々と事情もあるもんで、ワクチンくるまでずーっと会場空けて待ってるわけにもいかないので、色々な事情を抱えつつ麻布十番商店街内でやるの断念したわけさ。1ヶ月半、ワクチンくるのかこないのか厚生労働省からまったく音沙汰なし。

 

ほんと残念だった……。予診を担当してくれる予定だったドクターからも「商店街がっていうのがとても良い試みだったのにね……」と慰めの言葉もたくさんいただいて……。ぐすん。でも、そこで宙ぶらりんになった商店街連合会を港区が救ってくれて、区の職域枠を広げてそこにお世話になることができました。ありがとう。みんな喜んでた。うちも何名かお世話になったし。

 

 

とある店舗側の立場で

「ワクチン打った?」を聞くのが差別だなんだというご意見もありますが、人と接する商売を営む多くの業種にとって気になってる人がたくさんいると思われるのが「従業員が打てたかどうか」と「お客さんが打てたかどうか」じゃないでしょうか。そういうのまったく気にならないとこもあると思うんですけどもね。

 

経営者が港区民で早めにワクチンが打てたとしても、従業員は区民とは限らない。まして、65歳以上かそれ以下か、はたまた居住する自治体によって接種券が送られてきた時期も接種できる時期もバラバラ。バラバラすぎてハラハラしますよね。

 

経営側となりますと、やっぱりどこでも「ワクチン打ってもらってコロナ罹患のリスクは減らしてもらいたい」はあると思うんですよ。みんなの健康もそりゃ大事ですよ、かかりにくくなるもんなら誰だってその方がいい。しかも、従業員が罹患したらギリギリの人数で回してるところは営業できなくなるかもしれないじゃないですか。下手すりゃ休業です。ただでさえダメージの多いコロナ禍で、これ以上打撃を受けたくない。こう考えてもおかしくないんじゃないでしょうかね。

 

で、今回とてもお世話になってありがたかったのが、とある職域接種なんです(商店街連合会の以外で)。打ちたくても予約が取れない、年代で分けられちゃったから予約が始まってないという従業員が利用できたのが、酒屋さんから紹介された飲食店向けの職域接種でね。多分これ、結構な数の飲食店の人が利用したんではないでしょうか(確か都内で1万人規模)。周りに聞いても「ウチにもそこで打てた人いる!」と、我々飲食店業界ではとてもありがたい機会だったことをお伝えしておきますね。

 

◯◯(医療機関)に相談したら全員まとめてまるっとやってくれたよ、ということも聞いたりするし。色んな機会をそれぞれ探してたと思います。

 

経済回復にワクチン接種とワクチンパスポート(特典という名の緩和)と色々な話題が挙がってますが、私はとてもいいと思ってます。区分けされるのが嫌だなと感じる人がいるのかもしれませんが、利用される側(経営者にしろ従業員にしろ)だとそういうのって少なくとも安心に繋がる場合が多いんです。健康上のね。自分のまわりだけなのかもしれないけど。「従業員も少なくとも1回打てた」はみんなが安心する合言葉のようになってるのは事実だと思うんですよねぇ……。あくまでも任意なので100%とはいかなくとも、従業員の安全にも気を使ってあの手この手で打てる機会を探す店舗は褒められていいと思う。

 

とにかく、職域接種というチャレンジはワクチン調達に色々あったけども、自治体以外の人に打てる機会を与えてくれたものとして、結果すごく素敵だっということです。もし職域接種やってる企業さんや学校さんとか団体さんとか、できれば枠を広げて可能な限りたくさんの方へ解放してもらえると嬉しい。

 

自治体も職域接種やってるけども、もうこの時期になったら業種絞りをやめて誰でも受付可能にするとかが好ましいんだけど、正直なところなんだかんだ理由をつけて渋る自治体より、「地域解放!」と企業さんがCSRの観点でやってくれる方が決断早いと思う。むしろ自治体はそういう企業さんに何らかの支援(インセンティブでも)をするとか、呼びかけるだけでもして欲しい。従業員、在勤以外にも余裕あったら解放して救済してくださいと。居住地とかにやたら縛られる自治体じゃこれ以上無理ですと。

 

なんだかんだ、罹患している人は未接種の方がほとんどです。理由はどうであれ。

 

 

港区の接種率は7割近く、いや超えてるか?

職域接種もばんばん進んでいると思います。自衛隊のだって東京都のだって職域接種。自治体縛りがなく、色んなとこにお住まいの方が利用できるもんですから、各自治体の住民さんもたくさんお世話になってるはず。なので、しつこいようですけれども、VRSの入力だけは早くやっってね。そうでもしないと自治体はいつまで経っても「ウチのとこ、他所でどれだけ打ってるのかわかんない」が続きますので。

 

先日、港区はアンケートとやらを実施しましてね。もちろん私も見かけたのでポチっと参加をしましたけれども。これまで区民の70%接種を目指します!と言ってたのを85%に引き上げます!と。全然いいよ。頑張れ。ただ、こういう結果をちゃんとまとめる前に良いとこだけ取ってばーんと発表されると、区長記者会見で発表したいだけのネタかな?って思ってるのでそこは気をつけて。

 

ただ、こういう質問やまとめをみると、以前に港区が行った「選挙に関する区民意識調査(平成31年)」というのを思い出す。

 

7割以上が「選挙行く〜!」というアレだったのが、蓋を開けたら3割程度だった件。