例の市の例の件で思うこと

思想云々はさておいて、ルールというかやり方というか、議会のプロセスはどこも同じようなわけで、改めて頭の整理をしようと思う。委員会採択本会議否決とか。

 

会派判断がモノを言う

正直なところ、個人的な意見なんですけれども、「会派ってなんだろうね?」と思うところも少なくなく、その一方で「会派によって助けられてる」というところも少なからずあったりするのも事実で、トータル的にもやもやするのは変わりない6年間であります。

 

なお、6年前のことになりますかね、なんか訳のわからんことに巻き込まれて思ったことを綴ったこともありました。今も成長してないですけれど、ただの駄文。

毎日何をしているのかと(2015.5.13)
会派の続き(2015.5.14)

 

ほら、だからといって同じ政党の人だからといって思想が全て同じわけでもないし(注:多分全部の政党がそうとは限らない)、自民党さんなんか特にホラ、色んな人いるじゃないですか。国会とか見てても正直「あ〜仲悪そうだな」みたいなのチラホラあるだろうし、まぁそんなのどこも同じような感じだろうし。そう、色んな意味で複雑。

 

なお、↑の綴ってる内容は2015年選挙のいわゆる「前の期」というやつで、2019年選挙の後では港区議会の構成はこうでした。

 

ちなみに、その後2年で今はこんな感じです。

どこの自治体も同じだと思うんだけど、HPとか見ても会派でまとめられてるもんだから意外に知りようがないパターン多し。会派名に政党名入ってないとなおさらに。

 

 

会派と委員会構成と

で、例の市の例の条例案の内容はともかくとして、所管の委員会で審議をして結果が出たけれども、それを最終日に本会議場で諮ったら委員会とは逆の結論になりましたというやつです。

 

港区議会での例で頭を整理します。議会のお作法的なもの、未だに謎なところも多くて。

 

 

まぁ大体は一番多い会派から議長出して、次に多いところから副議長出します。それぞれの出し方も年高序列の場合もあれば期数のところもあるだろうし、そういうの全く関係なく選ぶ場合もあります。ただ、何をおいても一つ言えることは「ほえ〜みんなそういうの好きなんだ〜」と、役職大好き、クワバラクワバラ。名誉と他より多い歳費頂戴、でしょうかね。たくさん頂くことになるなら、それ相当の責任があるわけですので、しっかりやっていただきたいと思います。

 

で、区議会議員の任期は4年ですが、基本暗黙の了解で2年ごと色々変わる。委員会の構成も、会派の中の役割的なものも。ま、会派の中は色々なのでそれに限らず。

 

こないだの夏頃から、任期後半の人事的なモノは↑な感じ。自分、前半と何一つ変わらず。4年通して保健福祉常任委員会と新コロ特別委員会や。コソコソ言われとんの知ってんで、「アイツどこまで保健所好きなんだよ」と。

 

まぁそんな話はどうでも良し。

 

難しいドント方式とやらで、人数の多い会派から委員長・副委員長的な人数を決めたり、委員会の人数とか会派ごとのポジション選択権とか委員会の序列的な順番(上とか下じゃなくて、順番呼ばれるナンバリング的な意味)とかがあります。ま、それは任期の最初に決めるわけで、後半はそれに倣って「会派の中で人員交代」みたいな感じです。

 

名前と会派だけ羅列されてもイマイチなので、所属政党ごとに分けてみたらこんな感じになります。

 

結構バラバラなのよね、政党別になると。そりゃ思想も違うしモメることもあるだろうわ。たとえ会派が同じであろうとも。もちろん同じ会派でもモメます。

 

 

で、委員会の中の判断の話なんですけど

賛成反対と手を挙げたり立ったり座ったり議決をするのは、年4回ある定例会の中だけです。手を挙げるのは委員会の中、立ったり座ったりするのは本会議場。議案と請願に対して手をあげたり立ったり座ったりします。

 

委員会、例として今の保健福祉委員会での図はこんな感じ。アルファベットはそれぞれ別の会派のことね。委員長だけダッシュつけてますけども、採決に基本委員長は加わりません。議事進行という役目があるので。ただ、そのお隣の宙ぶらりんな副委員長は採決に加わります。議事進行役の代打だからな、ベンチに入っているからプレーヤーであります(例えが悪い)。

 

なお、本会議場における議長・副議長の扱いも同じ。議長は採決に基本加わらず、副議長は加わる。委員会の話に戻りますね。

 

で、例えば左側と右側で判断が分かれたとするじゃないですか。そうしたら頭数の多数決ということで、この場合は「不採択」という結果になります。

 

で、例えば更に判断が分かれて、頭数で同数になるじゃないですか。こういう時に初めて委員長が「沙汰を下す!」と出番がやってくるわけです。これが委員長裁決。サイの字が「裁」だか「採」だか違いがわからんけど、お沙汰であります。委員長が属する会派の判断になりますね。

 

個人の判断じゃねーのかよ、と時々聞かれたりするんですけどね。うん、個人じゃない。時々個人で責任もたせてくれよと思う時もある。でもダメぽいの。会派でまとめることが大事と。まぁ、委員長とかそういうポジションも「会派人数」が大きく関わっているわけですから、「そういうポジション与えられたのも意見をまとめることが前提」となるわけで、個別で全ていいとなれば会派制度もなくてしまって、ポジションなんかアミダかジャンケンで決めてしまえとなります(そうしてしまえと思うこともあるけれど、ならない)。

 

未だにモメてやらかしてる会派もあります。悩みは尽きない。外側からは見えない、ドロドロしたやつたくさんある。

 

で、これで委員会内でのお沙汰が下されたわけなんですが、ちょ待てよ。これって全体の見解が反映されているんでしょうかねという疑問が出ます。疑問というか、問題が2点あるわけですよ。

 

まず1点目:バックにいる人数が反映されてない

 

さっきの図ですけれども、ドント方式的なアレで、各会派で割り当てられる人数が決まるわけですよ。でもね、名目上、会派を代表して割り当てられているわけなんですよね。

 

そう、我々委員のバックには、これだけの人数がいるんです。

 

なので、たまたま人数の少ない会派で賛否が分かれたとして、委員会の中では同数となって委員長裁決となったとしても、バックに背負ってる人数が違う結果となることもある。多数決だけど、多数決じゃない的な。

 

次に2点目:全部の会派が一つの委員会に集合してるわけじゃない

 

委員会の中だけでお沙汰が下っても、全員いる場で「委員会の中ではこういう沙汰が下ったんですが、皆さんいかがですかー?」と問う場が最終日の本会議場なんです。立ったり座ったり。いいでーすサンセーイ!という方々はかなりの回数の立ったり座ったり、スクワット運動を強いられます。

 

時々思います、逆にしてくれよと。ただ、港区議会規定で賛成は起立と決められておるので、逆にするには色んなもんを改正していかなきゃいけないので、面倒だから多分このまま。…ちぇ。

 

議事録にもあるけれども、議会の最終日はこういう感じで委員長が報告をして、それに関して「委員会内でのお沙汰に賛成」「委員会内でのお沙汰に反対」と、全議員に確認するわけです。

 

なお、同数の場合は本会議場でお沙汰を下す場合もあり、その役目は議長です。欠席なら「ー」、気に喰わないとかまとまらないとかこぞって退席の場合は「退席」って書かれます。

 

港区議会のHP(審議結果)でもみれるけど、年4回発行されてる区議会だよりにも書かれてます。

 

ま、色々あります。色々ね。

 

 

訂正してお詫び申し上げます。

タイトルに「例の市の例の件で思うこと」とありましたが、実際の内容が異なり正しくは「例の市の例の件で地方自治体の議決プロセスに関しほんの少しでも興味がある方に向け、港区議会での例えを挙げてわかりやすいつもりで説明した件」でした。訂正してお詫び申し上げます。

 

ま、色々あります。色々ね。ムズカシイネ。